転がる水になれ!科学の力で「aqua dance」
水の分子が「結合したがっている」性質を持っていることを小学校の理科で習ったはず。
コップからあふれそうでも膨らんで耐えたり、ガラス窓に張り付いたりする表面張力がそれだ。
そんな粘着質な水だけど、この「aqua dance」の中では球体のようにコロコロ転がる。
ナノサイズの特殊な塗膜が水をツルリと滑らせてしまうからだ。
・・・・・・とかいう科学解説はおいといて、不規則な水のダンスを眺めていると心落ち着くことは確か。
盤面の障害物にプニプニと形を変えながら、ツルッとおっこちていきそうで跳ねるように動いたり、凹凸の端っこにひっかかったりと、なかなかに細やかで飽きない。
水道水を入れるだけで楽しめる、自然と科学のコンボを鑑賞しよう。
「超撥水インテリア aqua dance」
Moon night(左)、Rainy day(右)
■発売元:バンダイ ■3月下旬発売 ■各¥3885 ■サイズ/重量:W130×H145×D255mm/約500g
盤面はゆるかやに傾斜していて、「Moon night」と「Rainy day」のテーマに合わせた起伏がデザインされている。
タンクに水を入れて、水量や向きを微調整したら転がる様を眺めるだけ。
転がり落ちた水は手動のポンピングでタンクに戻せるので、毎回水を汲みに行く手間はない。手動なので電池など電源も不要だ。
白い盤面に透明の水道水が転がる様は美しいが、ここでジュースや染料入りなどを入れてはダメ。
水道水以外を入れると超撥水加工が損なわれてしまうのだ。演出するならBGMや照明に凝る方向でこだわろう。
となると盤面のバリエーションでデザイナーズモデルがあったらいいなと思うが、それはまた今後の期待だ。
昨年に発売された「超撥水ゲーム aqua drop」に続く製品で、使っている技術はいっしょ。
超撥水加工された面では、図のように水は150度の角度で(下写真左)接触している。もはや接触というよりなんとか乗っかってるだけ。
通常の撥水加工でも100度がせいぜい(下写真右)なので、超撥水の弾きっぷりがわかろうというものだ。実験室の床とか、厳密な排水が必要な業務用途でも活躍しているそうだ。
トイの「超撥水」シリーズは技術のお披露目も兼ねているそうなので、水を弾くピチピチの未来が拓けるようにトイ業界から応援しよう!
余談。「aqua dance」を見ていると、さだまさし氏の名曲「加速度」の歌詞を思い出すんだが、気づく人はいるだろうか。
水のダンスに映す思いは、人それぞれということで。
(C) BANDAI / PLEX 2009
(望月哲史)
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