【予防医療大調査(2)】腸を制するもの健康を制す!? 腸内フローラを調べた!

病気になってからでは遅すぎる! 今、病気をできるだけ避ける『予防医療の時代』がやってきたといわれています。

でも、実際にどのような診察を受けることができ、どのようなメリットが得られるのでしょうか? そこでMonoMax Web編集班は、最先端の予防医療に取り組む「三番町ごきげんクリニック」に突撃。澤登雅一院長の診察を受け、実際に体験してみました。

 

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「三番町ごきげんクリニック」院長の澤登雅一先生

澤登雅一先生◆「三番町ごきげんクリニック」院長。1992年、東京慈恵会医科大学卒業後、日本赤十字社医療センターで14年間勤務。2005年より現職。

 

総量約2kg! 腸内細菌のバランスで健康状態がわかる!

 腸内フローラという言葉、聞いたことがある人は多いでしょう。フローラとは花畑のこと。ひとりの人間の腸内には100~200種類前後の細菌が棲みついていて、そのバランスが健康に大きな影響を与えると言われています。

では、自分の腸内環境はどうなっているのでしょう? 腸内フローラ検査で、それを調べてきました。

「腸内フローラ検査は、遺伝子分析にも活用される次世代シークエンサーを駆使して行われます。人間の腸内に棲みつく細菌をスピーディに分析できるため、一般の方でも現実的な費用で検査できるようになりました」

人間の腸内にいる細菌の種類は、判明しているだけでおよそ1000種類以上。具体的な仕組みまで解明できずとも、統計的な結果として、人間の体にどのような影響を与えるのかがわかっているのだとか。具体的には、次の細菌が多いと……

  • ファーミキューテス → 太りやすい
  • バクテロイデス/アッカーマンシア → 痩せやすい
  • エクオール産生菌 → 女性ホルモン作用を促進
  • シャッテレラ → 自閉症の傾向が強い

ということがわかるのだそう。ほかにも、がんやアレルギー、動脈硬化、認知症、うつなどとの相関関係を指摘されている腸内細菌もあるといいます。

「三番町ごきげんクリニック」で行われた腸内フローラ検査の様子

大事なのはバランスと多様性。食生活の偏りやストレス、加齢、時差などにより腸内細菌の多様性は失われます。健康な人の腸には100種類以上の細菌が棲みついているそうですが、何かしらの健康トラブルがある人の場合、50種類を切る人もいるのだとか。加齢とともに細菌の種類も減りますが、年不相応に減っている場合は逆に健康問題が疑われます。

好ましくない細菌が多い場合は、食習慣を見直すことでバランスの改善を図ることになります。

以前は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3種類に分類して広く認識されていましたが、悪玉菌に分類されていたものの中に良い働きをする細菌もあったり、善玉菌と呼ばれているけれど特に何もしない細菌もあったりするのだとか。また、悪玉菌も必要悪で、なければないで困るものもあるのだそう。細菌個別の働きが把握できるようになってきたため、現代医療の現場ではこうした分類をする機会は減っているそうです。

「腸内細菌って、どれくらいの重さがあると思いますか? 実はおよそ1.5kgと、けっこうあるんです。男性で最も重量のある臓器の肝臓が約1.5kgですから、それと同じくらいですね。通常、外から侵入してくる細菌やウイルスは免疫によって排除されますが、腸内細菌とは共生関係をしていて、免疫力、解毒、栄養吸収、血糖調整など多くの仕事をアウトソーシングしているのです。ヒトゲノム計画で人間の遺伝子を調べたとき、予想よりも遺伝子数が少なくて研究者は拍子抜けたものですが、実は共生関係にある腸内細菌の遺伝子も含めれば相当な数になります。人の体は、これら腸内細菌のバランスもひっくるめて考える必要があり、それは人の健康にとても大きな影響を与えます。余談ですが『腸は第2の脳』ともいわれますが、逆に大切な腸を守るために人間は脳を発達させたともいわれているくらいです」

 

いざ検査! 人間ドッグに引っかかった過去はどう影響?

さて、いよいよ腸内フローラの検査です。

クリニックに行くと、まずは先生から腸内フローラ検査に関する基礎知識を解説してもらったあと、簡単な問診を受けます。

最近のお腹の調子や既往歴のチェックを受ける、取材班・B氏。ひとつ懸念していたのは、8年ほど前に人間ドッグの慢性胃炎検査で引っかかったこと。その後にピロリ菌の除菌治療を行い、問題は解決していましたが……

「もともと腸内細菌のバランスが悪い人は、抗生物質を使用することによって悪い菌を一掃されるので、腸の症状がよくなることがあります。逆にもともと腸内細菌のバランスがいい人は、抗生剤を飲むことで善玉菌が減ってしまうので、すごく大変な思いがあるんです」

そして今どうなっているかは、検査の結果を待ってから……。

「三番町ごきげんクリニック」で行われた腸内フローラ検査の様子

それからは、検査キットの使い方について説明を受けます。

検査方法は、便。採取は自宅にて行います。

採取方法は、水に流せる紙のシートを便器に置き、そこに排便をしたのち、容器についたブラシで便表面をこすりとり、容器内に密閉するだけ。学校で行った検便と同じです。採取後すぐにクリニックへ配送するか、直接持参。問題がないことが確認されれば、検体は検査機関に送られます。

B氏いわく、採取に問題はなかったものの「数年ぶりの検便で、ブツが予想外のところに落ちて少し焦った」とのこと。

ちなみに今回は腸内フローラ検査を指定して行いましたが、前回ご紹介した遅発型フードアレルギー検査同様、先生との問診や栄養分析検査を経た後、必要があったり希望があったりするときに行うのが本来の流れになります。

 

結果は……かなり良好なことが判明!

およそ1カ月後、検査が出ました。

先生の前には、一冊のファイルが。詳細なレポートを元に、クリニックで分析されたレジュメも添えられたもので、一から先生が丁寧に説明してくれます。

「Bさんの腸の中には、少なくとも79種類の細菌がいることがわかりました。これはまずまずの数と多様性ですね」

ほっと胸をなでおろすB氏。

「三番町ごきげんクリニック」で行われた腸内フローラ検査の様子

「全体の41%を占めているのが、プレボテラという細菌。これはお米など穀物中心の食事の方に多く見られる菌種です。その一方で、バクテロイデスという肉をよく摂る人に見られる菌種も20%みられました。穀物も肉もいける、いわゆる混在型ですね」

ほかには、動脈硬化や糖尿病を予防する働きがあると思われる酪酸産生菌も、なかなかの数値。乳酸菌の種類も豊富で、これも健康維持に貢献してくれているとのお話でした。

「バランスもなかなかで、問題は見当たらないですね」

 

その後、専門の医療スタッフから今後の治療計画に関する提案や生活改善のアドバイスを受けられます。

「Bさんの場合、主食も肉もOKな混在型で、善玉菌もバリエーション良く存在しているので、特別な制限などはなさらなくても問題ありません。ただ、現代人が日常的に不足しがちなタンパク質を補うべく、魚や大豆を意識的に取りましょう。ナッツや豆乳など、簡単にタンパク質を摂れる食材を用意するのも効果的です」

 

人間ドッグに引っかかった過去があることから、体の中の状態に一抹の不安を持っていたB氏。しかし、今回の結果によって腸内細菌が元気に育っていることが確認でき、前向きな気持ちになることができました。

なお、腸内細菌の数や種類数、バランスは食習慣や体調によって変わるものの、基本的に種類は不変。細菌の種類は思春期までに決定してしまいます。ただ、継続して摂取することで一部の乳酸菌を定着させる可能性はあるとのこと。

もし検査結果が悪ければ、まずは食事の内容や生活習慣を見直し、場合によってはサプリメントも取り入れて、腸内環境の改善を目指すことになります。

 

腸内細菌は、自分の健康を支える根幹部分。願わくは100兆個から1000兆個と呼ばれる細菌たちと良好な関係を保っていきたいものです。

 

【まとめ】
検査名:腸内フローラ検査
検査方法:便の採取(自宅にて)
費用:¥50,000(税抜) ※初診料他のぞく/コンサル料は含む
結果までの期間:約2カ月

 

「三番町ごきげんクリニック」
〒102-0075 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急アパートメント1101
03-3237-0072
診療時間:【平日】10:00-18:00(最終予約時間 16:30)、【第2・第4木曜日】10:00-21:00(最終予約時間 19:30)
休診日:土・日・祝日
https://kenko.org/
※完全予約制
※自由診療のクリニックのため、健康保険の利用は不可

 

取材・文/横山博之 撮影/松本健太郎

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