たった10秒で6面が揃っていく…!ルービックキューブ日本大会を覗いてきた
先日、「ルービックキューブ日本大会2008」が開催された。
その名のとおりルービックキューブの早揃えを競う大会で、昨年に開催された世界大会は新聞やテレビでも報道された。覚えている人もいるだろう。
今年の日本大会は10月4日に開催されており、いささか旧聞に属するが、今回については知らない人も多そうなので投稿。
今大会には6歳から76歳まで92名が参加。昨年の世界大会の優勝者で「3×3部門」の世界記録も持っている中島悠さん(17歳!・写真左)が「3×3」
「4×4」「5×5」の3部門で優勝し、三冠を達成した。
また「3×3片手部門」の平均記録、「4×4部門」の単発記録では世界新記録が飛び出して、日本人競技者のレベルの高さが感じられた。
世界記録保持者はじめ、大会で技を競うキュービストたちの姿は「続き」にて。
「ルービックキューブ日本大会2008」
■主催:日本ルービックキューブ協会 ■運営:日本大会実行委員会 ■後援:(株)メガハウス
行われた競技は、6面の揃えるタイムを競う「スピードキューブ」。
5回のタイムを測定し、5回のうち最もっとも速いタイムと最も遅いタイムを除いた3回の「平均記録」から順位が決まる。
最速タイムの「単発記録」も記録として残るが、大会での表彰順は「平均記録」からだ。
競技には一般的なルービックキューブを使う「3×3部門」のほか、一面の分割が異なる「2×2」「4×4」「5×5」の部門もある。
さらに「3×3」には片手部門、「3×3」「4×4」「5×5」には目隠し部門もあり、キューブだけで7部門。
合わせて、「ルービックマジック」のタイムトライアルも開催された。
細かい順位やタイムについては公式サイトの結果にて。
以下で出場者の雄姿を少し、紹介しよう。
「3×3」部門の平谷啓輔さん(今大会「3×3」片手部門優勝、同部門世界記録保持者)。記録は10秒08で、今大会では最速。しかし、総合順位は平均で決まるため、2位に。
「3×3」部門の中島悠さん(今大会三冠、「3×3」部門世界記録保持者)、。このときの記録は5回中最遅の12秒08。しかし10秒台を2回記録するアベレージの高さで優勝した。
見ていると何がなんだかわからないので、参加者に「どうやってるのか?」と聞いてみたところ
「動かし方のパターンがあり、それを(瞬時に)判断して組み合わせる」
「そのパターンはネットに動画でアップされていて、みんなで共有する」
などなど。
動画を見る限りではとてもパターン判別に迷っているようには見えないが、そういうことらしい。
パターン情報が共有されていることにより、競技では解法を思いつく直観力と手先の素早さが重要となる。
ルービックキューブが日本に上陸したのは1980年だが、大会上位入賞者に若年層が目立つのはそのためだろう。
三冠を達成した中島さんの今後の目標は
「『4×4』『5×5』でも世界新記録を出すこと。そのための課題は練習量」
とのことで、膨大なパターンを覚え、瞬時に組み合わせる直感を研ぎ澄ませ、滑らかな手さばきを身に付けて維持するのは並大抵の努力ではなさそうだ。
競技者の年齢層を考えても、次の世界大会(時期は未定だが)ではさらなる躍進が期待できる。
見ていると手の中で踊るキューブの動きに魅入られるような面白さがあるし、80年代の初期ブームを知る親と子で始めてもいい。
(それこそ明日の世界チャンプを目指して…とか)
これは、第何次かのルービックブーム、来てるんじゃないの?
会場はネットで連絡を取り合うキュービストたちのオフ会的な雰囲気もあったが、大きく広がりそうな熱気も感じた。
(望月哲史)
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