【MR-Gが最高級なワケ(3)】これってメタル?樹脂?カシオが誇る独自の華飾技術とは!

MR-Gのパーツが生まれた工場へ!

※前回の記事はこちら:
【MR-Gが最高級なワケ(1)】30万円もするG-SHOCKがあるって知ってた!?
【MR-Gが最高級なワケ(2)】可憐なマイスターたちが集う山形カシオのPPLとは!?

G-SHOCKのMR-G

Premium Production Lineに潜入し、MR-Gの組み立てや検査を担うメダリストたちの取材を終えた取材班。次は別棟にある部品製造工場へと向かいました。

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

所狭しと機械が並ぶ空間。組み立て工場とはまた違う専門性が漂う場所です。

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

ちなみに、入り口には数多くの一級技能検定合格証書が。技能を高め、その向上を奨励している様子が伺えます。

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

案内していただいたいのは、鈴木孝造さん(左)と藤井学さん(右)のお二人。MR-Gを始めとする高機能時計の内側を、わずか数mmのパーツからなにまで把握している方々です。

 

ナノ加工が樹脂の表現力を進化させた!

MR-Gで使われている特殊な技術を訪ねたところ、はじめに答えてもらったのが華飾技術。これは、樹脂でありながら本物の金属であるかのような質感を実現した、カシオ独自の技術です。

G-SHOCKを作っている山形カシオが誇る加飾技術

これまでは樹脂をメタル調に華飾するときは、樹脂の上にクロムをしっかり蒸着させるため、プライマーと呼ばれる塗料を載せなければなりませんでした。しかしそれでは、わずかに丸みを帯びてしまい、いかにもメッキされた雰囲気に。金属らしいシャープさも少なく、MR-Gで求める品質には届きません。本物の金属を使えば全体の重量が増してしまい、MR-Gが持つタフネス性能や先進性が損なわれてしまうため、これも採用できませんでした。

G-SHOCKを作っている山形カシオが誇る加飾技術

そこで樹脂表面に、わずか125μmという幅で溝を施工。このナノ加工により、樹脂でありながら本物のメタルと見紛うパーツを表現できたのです。

MR-G

百聞は一見に如かず。触れれば指を切りそうなほどエッジのあるインデックスですが、実はメタルではなく樹脂で出来ているのです。

 

ミクロン単位の世界はまだまだ広がっている!

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

次にムーブメントのパーツを製作しているマシーンを見学。作業は自動化されていました。

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

「こちらで作られているのは、ムーブメントの心臓部となるローターです。その大きさは、わずか1.5mm。しかも、磁石と樹脂製のギアを組み合わなければいけないもので、要求される寸法精度は±5μmと極めてシビアなんです」

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

こちらは、金型加工に使われるCNCマシン。

「新しいデザインを削り出すときでも、これまで手掛けてきた腕時計の金型データを元にある程度自動で算出するプログラムが備わっており、効率化を高めています。それで24時間駆動しています」

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

MR-Gではありませんが、これが金型の例。

「型彫り放電加工と呼ばれる手法を採用していまして、電気を流して金属を溶かしながら成型します。精彩な形ができるのが特徴です。腕時計の金型は、±1/1000mmレベルの精度を求められるので、非常に気を遣います」

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

職人の技能を高めるために、こんなテストを行うことも。別の場所から削り出した鍵のようなパーツで、2つの金属ブロックをつなぎとめています。そのスキマも、やはりミクロン単位。スーッと静かにパーツを押し込まれていく様子からは、わずかなスキマのために空気も一緒に押し出されていくのがよくわかりました。

G-SHOCKを作っている山形カシオの部品製造工場

「腕時計は他製品と比べて数多くの工具を必要とするのが特徴で、だいたい200~300本は必要になります。この機械には500本がストックされ、NCデータが先読みして事前に待機するよう設計しました。これにより工具の交換や摩耗状態の確認に取られる時間を抑え、効率化を高めています。ここも、私どもの技術力の成果です」

先進の機械が織りなす成果に圧倒されそうですが、それでも最後は人の手が欠かせないのだとか。

「組み付けたり磨いたりといった金型の最終工程では、職人集団による手作業が不可欠です。機械による加工では2~3ミクロン単位で加工できても、最後のすり合わせには職人的な感性がいります。わずかでもバリがついていないか。歪んでいないか。それを的確に捉えられる、この道数十年というベテランの方々がいらっしゃるんです」

 

「いやー、いろいろな世界を垣間見れて楽しかったね!」

ドタバタな強行軍だったものの、あふれる成果に満足の取材班。

G-SHOCKが30万円もするの!?という驚きからはじめた取材でしたが、MR-Gに携わる人に触れるたびに、その価格であることの正当性を噛みしめるばかりでした。品質や先進技術にこだわる気持ちが、MR-Gという形をもって現れているようです。

G-SHOCKを作っている山形カシオ

ちなみに山形カシオでは、腕時計専用の新工場を建築中で、2018年4月竣工・5月中旬稼働開始予定。いまよりも関連部署が密集することで品質を高めるとともに、部品の華飾要素技術の開発をさらに強化されるとのこと。さらなる進化に期待です。

 

G-SHOCK「MRG-G1000B-1A4JR」

G-SHOCK「MRG-G1000B-1A4JR」¥300,000(税抜)

●サイズH54.7×W49.8×D16.9cm●質量153g●耐衝撃構造●タフソーラー●20気圧防水機能●GPS電波受信機能●標準電波受信機能●針位置自動補正機能●ワールドタイム:世界27都市+UTCの時刻表示●ストップウォッチ●タイマー●時刻アラーム●バッテリー充電警告機能●パワーセービング機能●フルオートカレンダー●LEDライト

 

カシオ計算機 お客様相談室
03-5334-4869
http://g-shock.jp/

 

取材・文・撮影/横山博之 写真提供/カシオ計算機

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