日本カー・オブ・ザ・イヤー2010-2011を予想してみませんか?【後編】
編集部/とがし(クルマ紹介のテキストは嶋田智之)
「この三角マーク、どんな意味ある?」ホンダ車にしか付いていない、フロントガラスに記された三角印の意外な効果とは?自動車ライターが解説
日本カー・オブ・ザ・イヤー2010-2011を予想してみませんか?【前編編】
に、ひきつづき後半の国産車紹介編です。
まずは
■トヨタ・マークX
【価格】 238~380万円(税込み)
【広報部からのおすすめポイント3】
1)低重心の特徴的なスタイリング
2)フロントエンジン・リアドライブならではのスポーティな乗り味
3)プレミアムセダンとしてのトータルバランスの高さ
【説明】
トヨタの高級セダンといえばセルシオやクラウンがまずは思い浮かぶだろうけれど、
このマークXは「そこまでオヤジじゃないぞ」という感性を持った大人のための、もう少し若々しい位置づけにあるプレミアムセダン。
この2代目も、先代から受け継いだトヨタの4ドアセダンにしてはアグレッシブといえるスタイリングで、兄貴分達との違いを主張している。
エンジンは318馬力とパワフルな3.5L V6と、レギュラーガソリン仕様となって燃費も大幅に向上した2.5L V6の2本立て。
その走りっぷりはパワーが小さい方の2.5Lモデルでも充分満足できるもので、
出足からスッと力が立ち上がって、そのまま滑らかに加速していく。
もちろん乗り心地も上々。室内の広さも大人4人には充分。
装備類も「これがあるといいな」と思えるものは不足はなく備わっていて、
そういう面でもソツがない。
どこにも尖ったところはないけれど、トヨタのこのクラスのクルマ作りの上手さを充分に感じさせてくれるモデルだ。
つづいては
■日産・マーチ
【価格】99万9600円~146万8950円(税込み)
【広報部からのおすすめポイント3】
1)クラストップの1リッターあたり26キロの燃費
2)アイドリングストップの採用
3)マーチのDNA=フレンドリーさ、の継承
【説明】
日本を代表するスモールカーと呼べるマーチの4代目。
先代は他の何にも似ていない個性的なスタイリングが大きな特徴だった。
新型はそれと較べればずいぶんとコンサバな印象。
日本のベーシックカーにありがちなカタチともいえる。
だが、兄弟分であるルノーと共同で開発したシンプルかつ堅牢な新型シャシー、
抜群の燃費性能を持つ直列3気筒1.3・+副変速機付きCVT、
一部グレードにはアイドリングストップ機構も採用といった具合に、
クルマの値段を考えたらメカニズム的にはかなり攻めてるといえる。
結果、走行性能も乗り心地も何もかも格段にレベルアップしていて、
ベーシックカーにありがちな悲哀がない。
フツーに走ってフツーに「いいな」と感じられるのだ。
先代ほどの女子ウケはしないだろうが、
日々を一緒に過ごすパートナーとしての出来の良さは、
先代を遥かに凌いでいる。
そして3台目は
■ホンダ・CR-Z
【価格】226万8000円~249万8000円(税込み)
【広報部からのおすすめポイント3】
1)走りの楽しさとエコな燃費の両立
2)日本ではひさびさ登場のクーペスタイル
3)購入者には若い人が多くMTの売れ行きも30%
【説明】
エコが声高に叫ばれるようになって数年、
ようやく誕生した日本初のハイブリッドスポーツカー。
1980年代の名車CR-Xを思わせる小気味のいいクーペスタイルのフォルムに搭載されるのは、
ホンダ独自のハイブリッドシステム付き1.5・ユニット。
優れた燃費と環境性能を実現しながら、
2・エンジン並みの力強さを手に入れている。
足腰もシャッキリとセットされてるから、
交差点ひとつ曲がるのだって爽快な気分。
安楽で現代的なCVTのほかに古典的な6速マニュアルトランスミッションが用意されてることも、
クルマ好きの琴線を刺激する。
どこまで燃費を節約できるかというトライも
ハイブリッドカーの目に見える面白さではあるけれど、
CR-Zはそれ以前に、単純に走らせて気持ちいい、楽しいと感じられるのだ。
確かにエコは大切だけど、
クルマがただ地球に優しいだけの存在になってしまったらツマラナイ。
そんなクルマに対する熱い欲求を持っている人達に突き刺さるCR-Z。
クルマ離れが進んでるといわれる中で購入車には若者の比率が高く、
6MTの売れ行きが3割という、これまでの流れを打ち砕いたのも理解できる。
日本のハイブリッドカーの中に新たな価値を作り出した、
ホンダらしい1台といえるだろう。
4台目は
■マツダ・プレマシー
【価格】179万9000円~231万4000円(税込み)
【広報部からのおすすめポイント3】
1)スポーツカーのように曲がり、高級車をも思わせる乗り心地
2)水や風の流れをモチーフにした“NAGARE”デザイン
3)マツダ独自のアイドリングストップ機構搭載車をラインナップ
【本文】
人も荷物もたくさん乗せられるミニバンは、
家族や仲間同士では便利な存在。
車内の空間も広々してるから、乗せてもらってる人は楽チンだし楽しい。
だけど、運転手だと、どうしても車内で孤立しがちでツマラナイ。
おまけに長距離を走ることになると、マラナイうえに大変。
だが、そうした概念をスカーンと覆してくれたのが、この3代目プレマシーだ。
大きくて重いから運転感覚が鈍重になりがちなミニバンなのに、
このクルマはまるでスポーツカーのように気持ちよくスッと曲がってくれる。
だから運転するのが楽しいのだ。
そうしたクルマはストレスがないから疲れない。
というより、
前後左右の揺れ方が見事にコントロールされていて乗り心地もいいから、同乗者達も疲れにくい。
それはボディの骨格や足周りなどなど、
あらゆる部分を徹底的に煮詰めていかないと実現しないことで、
開発には時間も手間もコストもかなりかかる。
新型プレマシーは、ここがものすごくシッカリしてる。
ミニバンの中ではピカイチ級といってもいいだろう。
躍動感に溢れるスタイリングも
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