幾重にも塗り重ねられた、ハンドペイントによる文字盤の細密画
©David Marchon
雲がたなびき、アベンチュリンの星がきらめく夜空を背景に、くっきりとそびえ立つエッフェル塔。その荘厳な姿が、パリの街でおなじみの急こう配の亜鉛屋根を見下ろしている。その屋根が映すのは、月の青みを帯びた光と太陽が放つバラ色の輝きだ。遠くに並び立つのは、アンヴァリッドのドーム型の屋根とコンコルド広場のオベリスク。いくつか通りを隔てたところでは、ムーランルージュの風車が夏の夜風に吹かれて回転している。その中でも、もっとも重要な場所はフォーブル・サントノーレ通り24番地だ。「Hermès Sellier(エルメス セリエ)」と壁に記されたエルメスの第一号店が1880年から居を構えるあの場所である。屋上に広がるのは円柱が並ぶバルコニーに囲まれた秘密の庭。
©Anita Schlaefli
エッフェル塔の先端からHの光線が発せられ名前を呼ばれた馬、スーパーHが今にも飛び立とうとしている。マントが風になびくと見えるイニシャルはブラウンがかったオレンジの「H」。誇り高いペガサスのような威厳のある姿は、これから何が起きるのか? 何のために彼が呼び出されたのか? そしてどこへと飛び立つのか? と、想像力をかきたてる。ひとつだけ確かなことは、エルメス・オルロジェの職人たちのおかげで、スーパーHがやがて、柔らかな光に包まれて飛び去っていくということ。夜になると、エッフェル塔から放たれるスーパールミノバの光が、文字盤の表面近くで輝き、スーパーHのマークの輪郭が浮かび上がる。
©David Marchon
©David Marchon
©David Marchon
パリの風景は、ハンドペイントによる細密画です。幾重にも塗り重ねられ、特にスーパールミノバが塗布された部分は厚く、文字盤にややざらついた質感を与え、まるで絵画のキャンバスのよう。文字盤はすべて手しごとで創り上げられ、作業に要した時間は50時間を超えるという。一つひとつがユニークピースとなった文字盤は直径39.5mmのホワイトゴールド製ケースに収められ、エルメス・マニュファクチュール機械式自動巻H1950超薄型ムーブメントを搭載し、唯一無二の存在となるのだ。
©Anita Schlaefli
©Anita Schlaefli
エルメス「スリム ドゥ エルメス ミニュイ オ フォーブル」
スペック:ケース径38mm、3気圧防水、自動巻きパワーリザーブ 約42時間、ホワイトゴールド×アリゲーターストラップ
※各24本のリミテッド・エディション、シリアルナンバー入り
※2023年 5月以降発売予定
¥8,184,000(予価)
問い合わせ:エルメスジャポン
TEL:03-3569-3300
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