“流行に左右されない普遍的なモノ”と“異なる要素が融合したハイブリッドなモノ”
40歳を境に、トレンドへの興味が薄れてきたという小島さん。だが日本のスニーカー・カルチャーを牽引するアトモスのディレクターだけあって、無限に存在するともいえる選択肢の中から、自身の審美眼を信じて、今推すべきモデルをセレクトしていただきたい。
「そこで一つの指標となっているのが“流行に左右されない普遍的なモノ”と“異なる要素が融合したハイブリッドなモノ”。この2つに加えて僕が重要視しているのがコンフォート性です。身につけていて快適に過ごせるかどうか。ライフスタイルもミニマルに変わってきていますし、快適さを求める気持ちは、年を重ねるほど強くなってきているように感じています」
ここまで明確に大人のスニーカー選びの指標が決まっているならば、小島さん自身が履きたいと思う大人のスニーカーについても聞いておきたい。
「近年は、ジャンルもトレンドも細分化したことで、以前に比べて爆発的なヒットモデルが出にくくなっているとは思います。その中で定番として認知されているランニングシューズに関しては変わらず好きですね。たとえばこの『エア マックス 1 PRM クレープ』[①]。35周年を迎えてなお、変わらぬスタイルでリリースされ続けているからこそ、素材やソールを変えても成立する。こういった歴史と品格を備えているモデルであれば、大人世代でも履きこなしやすいと思います」
先述のコンフォート性に目を向けるならば、優れた機能性を備えたアウトドアカテゴリーのスニーカーなども適任といえるのではないだろうか。
「確かにホカやサロモンの人気は増すばかりですね。ただ、履く分には快適ですがちょっとクセのあるデザインも多く、シーンを選ぶ可能性も。そう考えると本気すぎるパフォーマンスモデルは、すべての大人世代向けとは言い難い。その点、ランニングはやはりアリなんじゃないでしょうか。クラシックな定番にしろ、革新的なツーリングを採用したハイテクにしろ、ファッション的にも合わせやすいですし」
ここで再び、小島さんの指標を思い出してほしい。“流行に左右されない普遍的なモノ”と“異なる要素が融合したハイブリッドなモノ”。今回セレクトしてくれた4モデルにおいても、そこはしっかりと押さえられている。
「まずは『エア マックス 1 クレープ』。僕ら世代でエア マックスといえば95かこの1ですよね。定番モデルのクレープソール仕様という意外性。ファンの間では名作と呼ばれながらも19年前にリリースされたっきり。それが、上質な素材とシックなカラーリングで待望の復刻を遂げました。新鮮なところでは、コールハーン[②]も面白いのでは。素材にこだわり、ディテールや配色でウチらしさを残しつつ、ハイブリッドなスニーカーに仕上げているのがポイントです。スニーカー=ストリートカルチャーという感覚で選んできた人たちのバイアスを壊すキッカケになれればなと。アトモスとしても新たなフィールドへの挑戦といえます」
リリースが発表されて、一部界隈では大きな話題となったアディダスオリジナルスの「キャンバス シュプリーム ソール」[③]もまた然りだ。
「裏原宿世代待望のモデルが、24年の時を経て、ついに復刻されました。軽くて履きやすいですし、この丸みを帯びたシルエットも大人世代の着こなしに似合うと思います。正直、このタイミングで手に入れておかなければ、次にいつ復刻されるかどうか……。買っておいて損はありません。そして最後は『M2002R ST』[④]です。履き心地もデザインもすごくいいのに、限定や別注などではなく、比較的いつでもどこでも買える。それがこのモデルの魅力だと思うんです。ニューバランスが欲しいけれど、何を買うべきかわからないという人にぜひ。確実に365日活躍してくれるはずです」
どうやら“大人の履くべきスニーカー”の答えが出たようだ。
掲載スニーカーの問い合わせ先:アトモスカスタマー TEL:03-6629-5075
取材・文/TOMMY 撮影/村本祥一、坂下丈洋(ともにBYTHEWAY) スタイリング/小孫一希
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