キャンプ&アウトドア好きから絶大な支持を集める人気ブランド、ザ・ノース・フェイスから初の折りたたみ傘が誕生しました。チラ見しただけだと、ちょっとおしゃれな折りたたみ傘といった印象ですが、実はコレ、“安価なビニール傘の使い捨て問題に一石を投じる”、ザ・ノース・フェイスのメッセージが込められたものだったのです。
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愛する自然や大切な資源を守るSDGsな折りたたみ傘が誕生!
こちらの傘、その名も「モジュール アンブレラ」。
ポイントは、雨が降るたびにビニール傘を買わなくてすむように、常に持ち歩ける軽量でコンパクトな折り畳み傘であること。そして傘の骨が折れても、自分で修理できることの2点。
そうすることで、傘を使い捨てすることなく、大切な資源を無駄遣いせず、修理しながら長く使い続けることができるのです。この新作折りたたみ傘はSDGsに関心を寄せるキャンプ&アウトドアを愛するすべての人に持って欲しい逸品なんです。
ザ・ノース・フェイス
モジュール アンブレラ
各¥9,350
バックパックや通勤カバンにコンパクトに収納できる折りたたみ傘。大人が使いやすい100㎝サイズで、本体重量は約240g(編集部計測)と超軽量。生地は引き裂き強度に優れたジオリップストップ。飽きのこないシンプルなデザインにブランドロゴがアクセント。カラーはサフランイエロー、ニュートープグリーン、ティングレー、ブラックの4色。
「修理できる折りたたみ傘」がビニール傘の無駄買いやポイ捨てをなくす!
ザ・ノース・フェイスから誕生した自分で修理できる画期的な折りたたみ傘「モジュール アンブレラ」。
開発のきっかけや開発秘話を開発担当の野中さん、宮久地さん(以下敬称略)のお2人に聞きました。
開発には相当な思い入れがあったそうですが、そもそもどういった経緯で開発に至ったのでしょうか。
株式会社ゴールドウイン
ザ・ノース・フェイス事業二部キャンプギアグループ
野中研二さん
株式会社ゴールドウイン
ザ・ノース・フェイス事業二部キャンプギアグループ
宮久地拓実さん
開発チームのお2人はジオドームなどのハードギアを担当する構造オタクなメンバー。折りたたみ傘の構造を一から勉強するのも楽しかったそう。
野中「これはずっと昔から思っていたことなのですが、コンビニなどで買えるビニール傘が使い捨てされすぎていないかということです。街を歩いていると、壊れて捨てられたビニール傘があちこちにありますし、実は山小屋でも捨てられたビニール傘を見かけたことがあります。日本では1年間に約1.2~1.3億本(ビニール傘は8,000本)もの傘が消費され、毎年膨大な数が使い捨てられているのです。この状況は非常にまずい。私たちはアウトドアに根付いたブランドですから、資源や環境問題にも積極的に関わっています。今ある資源を最大限有効活用する、壊れても取りかえることで長く使える商品を作る。その思いが折りたたみ傘開発のきっかけになりました」
宮久地「普通の折りたたみ傘では、強風で傘の骨が折れてしまった場合、ビニール傘と同じように使い捨てにされてしまう。そうならないためには自分で修理できることが大切と考えました。骨が折れても、自分で簡単に骨を交換できる仕組みを、傘メーカーのみなさんとともに考え、試行錯誤しながら約2年の開発期間をかけて完成したのがこの『モジュール アンブレラ』になります。細部にも使いやすさを追求したアイデアを盛り込んでいます。例えば、傘を留めるストラップは、開いたときに垂れ下がらないよう面ファスナーテープで貼り付けることができます。
傘をまとめるストラップが垂れ下がらないように生地側に貼り付けることができる。こんな工夫もうれしい。
ハンドル部分はプッシュボタンでの開閉式になっていて、中に収納袋をたたんで収納することも可能です。ハンドルに備わるストラップ(手元ふさ)には、ザ・ノース・フェイスらしくガイロープを使用。このストラップを使ってデスクやイスにぶら下げられるのも便利だと思います。
ハンドルにはプッシュボタン開閉式の蓋が備わり、中に傘ケースを収納可能。
ストラップを使ってチェアやバッグなどに吊り下げることができるので濡れた傘の置き場に困らない。
宮久地「生地にはジオドームテントを連想させる軽量で引き裂き強度に優れたジオリップストップ生地を採用しています。折りたたんだときにバックパックからはみ出ないサイズにもこだわっています!」
生地はジオドームテントを彷彿とさせるジオリップストップポリエステル。
野中「去る5月19日~21日には原宿にあるアウトドアブランド6社が集まり無料のリペアイベント『 DoRepairs』が行われ、改めて一つのモノを永く、愛着を持って使用するというイベントを行いました。この傘にもそれと同じような想いが込められています。山行で常にレインウエアを携行するように、通勤やお出かけ時に折りたたみ傘を携行する。強風などで骨が折れてしまっても、自分で修理する。使い捨て文化をやめて、限りある資源と美しい自然を大切する。この折りたたみ傘をきっかけに、ぜひ友人や家族と一緒に環境について考える機会を作っていただけると嬉しいですね」
骨の交換システムのアイデアがすごい!
まずはこちらの動画を観ていただきたいのですが、
最初にお伝えしたとおり、「モジュール アンブレラ」の魅力は、傘の骨が折れても、自分で修理できること。特別な工具を用意する必要もなく、下で紹介するとおり、いくつかのステップで骨の取り外し(取り付ける場合は逆の手順)を行うことができるんです。
①石突を取り外す
スクリュー式の石突(傘の先端部分)を取り外すと先端が尖ったピンになっており、ろくろ(傘の骨を留めている部分)のロックを外す工具になるのだ。
②下ろくろのロックを外す
石突のピンを下ろくろ(傘の骨を留めている部分)に差すとロックが外れる。
③受骨と元親骨を外す
下ろくろのロックを外すと受骨(骨の下部分)が外れる。
同様に上ろくろにはまっている元親骨(骨の上部分)も簡単に外すことができる。
④だぼの取り外し
生地に縫い付けてあるパーツを90度回転させると、だぼ(骨の折りたたみパーツ)と生地を着脱可能。このアイデアがすごい!
⑤骨の取り外し
露先(骨の先端)も簡単に着脱可能。これで折れた骨の取り外しが完了。工具を使わずに骨の交換ができるってすごすぎ!
このように高い機能を備えながらも「壊れた骨を自分で交換できて、使い捨て傘にサヨナラできる」モジュール アンブレラ。環境に優しい折りたたみ傘で、雨の日もハッピーにお過ごしくださいね!
撮影/木村武司(BASK) スタイリング/栃木雅広(quilt)
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この記事を書いた人
ライター岡藤充泰
ファッション、カバン、革小物、クルマ、家電などあらゆるジャンルに精通する、この道30年以上のベテランモノライター。プライベートではキャンプと車をこよなく愛する。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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