ダンプカーというのは各地の現場で活躍する、頼もしい存在だ。サイズも巨大で、男らしさあふれる乗り物と言っていい。さらに最近はダンプ女子もいて、ここでもダイバーシティ化が進んでいることを実感したりする。
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そのようなダンプの後ろを走ることはよくあることで、そこで目に飛び込んでくるのが荷台の表示。具体的には地名と数字を組み合わせたもので、ナンバープレートの文字と同じと思いきや違っているので、謎は深まるばかりだ。
当然意味はあって、「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」法律でも定められている。いわゆるダンプ法やダンプ規制法と呼ばれる法律によって表示が定められている。国土交通大臣に届け出をして発行されるもので、ゼッケンやマルケンと呼ばれることもある。
ただし、すべてのダンプに義務があるわけではなく、土砂を運ぶものに限ってのものとなっている。ただし、いわゆる土と砂の土砂だけでなく、石やコンクリート、レンガなどのガラも含まれる。
土砂に限っている理由は、荷台まわりが汚れやすく、ナンバープレートも判別できないことがあるから。その昔、暴走ダンプカーの危険走行が問題になったとき、ナンバーが汚れていて見えず、摘発できなかったのをきっかけに定められた。ナンバー自体を大きくすることはできないので、識別表示を荷台の左右と後ろに大きく示すようになった。表示のパターンは「地名/(漢字ひと文字)/数字」で、それぞれ車種固有のものなので、ナンバーと同じく、身元を特定することができる。ちなみにナンバープレートの内容とは別物だ。
地名と数字はわかるとして、気になるのは真ん中の漢字部分で、ここは事業内容、つまり使用用途を表す。
営=運送/販=砂利販売/採=砂利採取/建=建設/砕=砕石/石=採石/他=産業廃棄物業などのその他
確かに荷台が汚れそうな業種ばかりで、大きく表示する効果はあるし、マナー向上にもなるだろう。
最後にもうひとつ、他の大型トラックと違ってダンプはなぜ白ナンバーが多いのかという点について触れておくと、土砂を買い取ってそれを運んでいる場合は白ナンバーで合法。問題は運賃をもらって運んでいる場合で、本来は緑ナンバーにしなくてはならず、違法のまま走っているダンプも多いと思われる。上記の使用用途での「営」などが該当するが、荷台の表示だけでは判断しきれないし、表示されているから法律的なお墨付きを得ているわけでもない。ただ、最近は出入りする現場のコンプライアンス問題もあって、緑ナンバーのみの取引きとする例も増えているので、今後は適正化されていくだろう。
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ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
Website:https://monomax.jp/
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