大人も興味をもつ「プラレール」を作りたい
「おもちゃ市場の状況を受けて、弊社も大人向け商品を作ろうということになりました。タカラトミーのロングセラー商品『トミカ』ではすでに大人向けの『トミカプレミアム』を発売し好評を得ていましたが、『プラレール』にも大人向け商品があれば、子どもから大人までより幅広い世代に興味を持ってもらえるのではないかと思い立ち企画開発を始めました。2020年にテストモデルを作り社内でプレゼンしたところ、製品化のGOサインが出たのです」
開発で重視したのは、もちろんリアリティ。細部まで実物を表現するため、何度も鉄道博物館やロマンスカーミュージアムに足を運んで実際の車両を確認した。しかし、すべては表現できず、取捨選択に苦労したそうだ。
「重要視したのは、普通のプラレールと一緒に遊べるようにすることでした。それを実現するためには、プラレールの規格に沿った設計にしなければなりませんでした。車両の長さや高さが決まっており、お子様の安全への配慮も必要なため、どの部分を追い、どの部分を省略するかとても悩みました。例えば、窓ガラス部分にクリアパーツを使うと、シャーシの横幅が規格内に収まらなくなったんです。どう薄くしようかとかなり苦心しました。そのほかに、高さが出る運転席部分やクーラー部分のデザインに悩みました。最終的に飾る用のハイタイプと走らせて楽しむ用のロータイプを別に作り、取り替えられる仕様にすることで理想とするボディを完成することができました」
実は、このアイテムにはもう一つ大きな特徴がある。それが、「飾っても楽しめる点」だ。そのために一般の青いレールではなく、飾ることも楽しめるリアル直線レールも開発するなど工夫を凝らしている。さらに、製品化する車両選びにもこだわった。プラレールでは特急車両が人気なことから、国鉄時代の特急と、私鉄特急の代表格をセレクト。第1弾・第2弾の発売時には「今後も集めたい」と上々の反響を集めファンの心をひきつけている。これはもしや次作も期待できるかもしれないと思い、いちファンとして今後について尋ねてみた。
「リアルクラスシリーズは、お客様の心に残る名列車をラインナップしていきたいです。全国の名列車を車両基地のように並べられるぐらい、『プラレール リアルクラス』という路線図を広げていけたら嬉しいです」
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この記事を書いた人
ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Twitter:@kuunelu5963
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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