イタリア由来の華やかなデザインと優れたクオリティで絶大な地位を築き上げてきたライフスタイルブランドの、オロビアンコ。そのオロビアンコがこの2024年春に「Re:born」と称し、大きく生まれ変わることになったんです!
左/栃木雅広さん 右/小孫一希さん
いったいどのように生まれ変わるのか? 1999年に日本本格上陸を果たした黎明期からブランドを見続けてきた2名のスタイリストに、新生オロビアンコをチェックしてもらいました!
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アイデンティティを残しながらスタイリッシュに進化した!
小孫「日本に本格上陸を果たした後の2000年代とかは特に、オロビアンコがファッションシーンに与えた影響は大きかったですよね」
栃木「本当にね。いわゆるビジネスシーンのカジュアル化が始まり、ジャケパンコーデが社会的に認められるようになったときに、オロビアンコが提案したナイロンバッグは上品かつ華やかな存在としてアイコニックなアイテムになっていたから。セレクトショップもこぞって別注をかけていて」
小孫「クラフトマンシップあふれる品質の高さもよかったし、なによりイタリアブランドらしい色使いや高級感は本当に魅力的でしたよ」
栃木「そんなオロビアンコが生まれ変わったというのは、大きなニュースだよ。『カラー、パーツ、素材を一から見直し、よりニュートラルで洗練されたイタリアンモダンを追求したデザインに』とのことで」
小孫「この春に『Re:born』を印象づける多くのシリーズが登場していますけど、特に印象的なのがSOLO(ソーロ)シリーズでしょうね。オロビアンコといえばコレ!というようなアイデンティティを感じる定番シリーズをベースにしつつ、今どきなスタイルに刷新されているんですよ」
栃木「素材使いは相変わらず上品なんだけど、今回のリニューアルでさらにクリーンな印象も加わった。ほどよい光沢を湛えながらも、ギラギラとした嫌らしさはないんだよね。すごく今の時代にフィットしていると思うよ」
小孫「付属レザーの質感もこれまでと違っていますよね。ナチュラルシボの型押しで、さらに凹凸の陰影を強調した仕上げになっていて、さりげなく手が込んでいるんですよ。ナイロンも廃材を使用したというリサイクル素材が採用されていて、そこも時代に合っています」
栃木「パーツ使いもけっこう変わっているよね。これまでだと、鏡面仕上げのロゴ入りメタルパーツが正面にドーンと置かれていたり、キラキラのコイルファスナーが目を引く存在だったりしていたけど、今作では代わりにレザーパッチやアンティーク調のメタルファスナーが使われていて、ちょっと控えめな雰囲気になっている」
小孫「あまり主張が強すぎると、シンプルを基調とした今どきなコーディネートには合わせにくいですからね。こういうところに、今回のリニューアルに寄せる想いが伝わってくる気がします」
栃木「ある意味、今回の変化を大きく印象づけるものといえるのがリボン。イタリアの三色旗と同じトリコローレカラーに彩られたオロビアンコのリボンって、街でめちゃくちゃ見かけたよね」
小孫「今もたくさんいますよ。本来は取り外すべき商品タグの一種なんでしょうけど、付けたまま利用する人は多いですよね。他のブランドでも似たようなこと、ありますけど」
栃木「そのリボンが、すごくモダンなカラーリングになっているんだよ。もちろんこれを付けたまま利用するかどうかはユーザー次第なんだけど、やっぱり一部のファンにとっては神格化した要素のひとつだったから、そこを変えてきたというのはリニューアルへの大きな決意を感じるよね」
※注:取り付けられるリボンのカラーはシリーズやモデルによって異なり、以前と同じトリコローレカラーもあります
「クラシコイタリアなニュアンスを漂わせつつ、ちゃんと調和するんです」(小孫さん)
オロビアンコ
SOLO ボディバッグ 92957
¥40,700(税込)
W13×H33×D5㎝
小孫「僕が気に入ったのは、このボディバッグ。オロビアンコといえばコレですよね。縦長でスリムなんですけど、多層構造になっているから財布やスマホなどを整理して収納できるという実用性が高いんです」
小孫「そうした設計は従来どおりなのですが、素材やカラーが現代的で都会的なスタイルに落とし込まれているんですよ。だから、今どきな装いにすんなりマッチできちゃう。もちろんオロビアンコらしいクラシコイタリアなニュアンスも健在なんですけど、突出しすぎてなくて、ちゃんと全体と調和してくれるんですよね」
「『高品質だけど自然体でいられる』ビジネスバッグなんです」(栃木さん)
オロビアンコ
SOLO 2WAYビジネスバッグ 92964
¥60,500(税込)
W39×H29×D8㎝
栃木「普段使いできるカジュアルバッグもいいけど、ビジネスで使えるバッグもまたいいんだよ。この2WAYビジネスバッグなんか好例だね」
栃木「ビジネスウエアが多様化した今だからこそ、無理して人と違いを出そうとする必要はなくて、バッグも『高品質だけど自然体でいられるモノ』が望まれているんだと思う。この2WAYビジネスバッグは素材やパーツが一新されたことで、今のスタイルによりマッチするようになったんじゃないかな。ナイロン製だからほどよく柔和な雰囲気があるし、レザーのトリミングも本当に上品だしね」
小孫「新生オロビアンコ、かなりいいですね。大人が狙うべきブランドになっていますよ」
栃木「だね。ただ見た目が華やかなだけでない、今の時代にふさわしいラグジュアリーさがあって。すごくいい感じに進化していると思うよ」
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この記事を書いた人
ライター横山博之
カバン、時計、ファッションなど男性のライフスタイルを彩るモノを領域とするライター。デザイナーや職人などモノづくりに関わるキーパーソンへのインタビュー経験も豊富。時代の先端を行く技術やカルチャーにも目を向ける。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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