ユニークな白ダイアルを採用した理由
最大の特徴は、ユニークな白のダイアルだろう。初代スピードマスターが誕生した1957年当時、デザイナーたちの大きな目標のひとつは、 優れた視認性を備えた見やすい表示にすることだった。ブラックのダイアルにホワイトの針とインデックスというデザインを伝統としてきたが、今回の新作では、意図的に配色を逆にしたことで、優れた視認性と驚きをもたらすことになった。
加えて、Speedmasterの文字を赤にして際立たせ、ダイアル全体を艶のあるラッカーで仕上げている。何を隠そう、ムーンウォッチのステップダイアルにラッカー仕上げが採用されたのは初めてのことなのだ。
白を採用した理由はいくつかある。そのひとつといえるのが、宇宙で使う完璧な時計を設計するNASAの極秘プロジェクトの一環として、オメガは1969年に「アラスカI」のプロトタイプを製作したことにある。数か月にわたる実験の結果、熱反射率が他の色に比べて特に優れているという理由から、「アラスカI」にはホワイトダイアルが採用されたのだ。新作のSpeedmasterの赤い文字は、この「アラスカI」の赤い保護ケースにちなんだものでもあるという。
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