トヨタ車オーナーであれば気がついているかもしれない。ドアミラーの付け根やテールランプのサイドなどに小さな出っ張りが付いていることを。細長くて、突起というよりも出っ張り程度のもので、クルマによっては2つぐらい付いていることもある。
そもそも車種としてかなり幅広くて、普通乗用車以外にもハイエースや軽自動車にも付いているし、レクサスの一部にもあり。軽自動車はダイハツからOEM供給を受けているものなので、逆を言えばダイハツ車にも付いているし、最近関係を深めるスバルでも見かける。ただ、スバルの場合はルーフの後端に付いていたり、独自の形状というか模様になっていたりする。
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この出っ張り、何の目的?
ほぼすべてのトヨタ車とその仲間に付いているこれ、なにが目的なのかというと、空力の向上だ。以前、トヨタがF1に参戦しているときに、車両開発時に発見したという由緒正しいもので、小さな出っ張りでも絶大な効果があるため、ここまで普及しているのだ。理屈としてはけっこう難しくて、仕組みだけ紹介すると、ボディ表面に乱気流を起こして、それによって走っているときの空気抵抗を少なくするというもの。リヤまわりの挙動を落ち着かせたり、ドアミラーまわりで発生する風切り音を抑えるなどの効果があるという。
名称はボルテックスジェネレーターで、日本語にすると「渦巻き発生器」。トヨタではエアロスタビライジングフィンと呼んでいる。同じ効果を狙ったものは飛行機の翼や新幹線のパンタグラフに付いているし、ゴルフボールの表面がデコボコしているのも効果としては同じだ。しかし、小さな突起程度でほんとに効果があるのかと、じかに開発担当者に聞いたことがあるが、あるとなしではかなり違うとのこと。
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この記事を書いた人
ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
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