豚肉を硬くしないためのコツ
とはいえ豚肉を買えばなんでも美味しいわけではなく、上手に調理することも重要です。
「調理方法によって豚肉はさらに美味しくなります。豚肉は牛肉や鶏肉のようにランクによる味の違いは感じづらいため、『安いからまずい』ということはあまりないと思います。豚肉が美味しくないことがあるとすれば、ほとんどが焼きすぎによるものです。
豚肉は加熱すると硬くなると思われているかもしれませんが、60℃以上75℃未満では豚肉に含まれるたんぱく質やコラーゲンが凝固・収縮して硬くなってしまいます。逆に75℃を超えるとコラーゲンが熱分解しゼラチン化して柔らかくなります。そのため、温度をしっかりコントロールすることは大切です。計るのが面倒な場合は低温調理器や温度設定のできる調理器具を使うと良いですね」(スギ アカツキさん)
温度管理が大切なのは理解できましたが、ちゃんと中まで火が通っているのか不安になってしまうこともあります。
「食中毒を防ぐためには中心部を75℃以上になるようにして1分加熱すれば大丈夫だと言われています。豚肉や牛肉は肉の表面に菌が付着していることがあるため、表面は焼くなどしてしっかり加熱することが重要です。むやみに加熱し続けると、中まで火が通ったとしても美味しくなくなってしまいます。
たとえばこれからの季節によく出てくる冷しゃぶですが、加熱しすぎてぱさぱさになっている人が多い気がしますね。沸騰してから火を止めたお鍋にさっとくぐらせて、冷たすぎない水で洗い、キッチンペーパーの上に置くとちょうどよくふわふわに仕上がりますよ」(スギ アカツキさん)
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Twitter:@KA_HO_MA
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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