鶏肉の皮=ダイエットの大敵は本当?
鶏肉といえば、筋トレをしている人やダイエットをしてる人のイメージも強いと思います。皆さん口を揃えて「鶏肉は食べるけど皮なしを買う!」「皮は剥がして捨てる」と言いますが、個人的には皮が美味しいのに……と思います。やはり皮は食べないほうがダイエットに良いのでしょうか?
「アスリートや極度のウエイトトレーニングをしている方は気にするかもしれませんが、一般的にはそこまで気にする必要は無いと思います。100gあたりのそれぞれのカロリーを見てみましょう。
・鶏肉もも(皮あり) 190kcal
・鶏肉もも(皮なし) 113kcal
・鶏肉むね(皮あり) 133kcal
・鶏肉むね(皮なし) 105kcal
(出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)
そこまで大きく違うわけではないことがわかりますよね。鶏肉の皮にはコラーゲン・旨味・脂が主に含まれていますが、脂分は腹持ちを良くする効果もあり、『美味しく食べた』という満足感にもつながります。皮なしを食べた結果あまり満足できなくて炭水化物を追加で食べてしまっては意味がありません。それなら最初から皮ありで美味しく食べた方が良いという考え方もあると思います」(スギ アカツキさん)
どちらかというと、皮のありなしよりも調理法を工夫すべきだと指摘します。
「揚げるのではなく蒸す、ゆでる。皮なしの胸肉を唐揚げにするのと、皮ありの胸肉を蒸し鶏にするのではカロリーも変わってきます。それぞれのカロリーの数値の違いを知ったうえでどこまでこだわりたいか考えるとラクになると思いますよ」(スギ アカツキさん)
実は、コラーゲン・旨味・脂が含まれる鶏肉の皮はプロの料理人からも重宝される存在だと言います。
「和食の料理人は鶏肉の皮を冷凍して取っておくのだそうです。鶏肉の皮には美味しい旨味成分がたくさん含まれているので、煮物をする際やジャガイモを茹でる際に入れるとすごく美味しくなります。野菜の味噌汁に入れてもコクが出てとても美味しくなりますよ」(スギ アカツキさん)
やっぱり気になるので鶏肉の皮は食べないでおこう……という場合でも、工夫次第でとても良い調味料になるんですね!イメージで避けるのではなく、正しく数値や扱い方を知ることでより食事が楽しくなるかもしれません。
スギ アカツキさん
食文化研究家、スーパーマーケット研究家。
東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどの各種メディアで活躍中。国内外の食情報にも詳しく、食テーマについてのやさしく、わかりやすい説明に定評がある。
取材・文/松本果歩
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Twitter:@KA_HO_MA
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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