2. 遅刻しない…は当然だが寿司屋ならではの理由とは?
続いて寿司リーマンさんが挙げたのは「予約した時間に遅刻しない」ということ。飲食店を利用する際のマナーとしては当然のような気がするが、寿司屋ならではの理由があるという。
「当たり前と言えばそうなのですが、多くの寿司屋では予約時間に合わせ全部逆算して準備しているんです。寿司は温度がとても大事なため、予約時間の何分前にシャリを切って、何分前にマグロ切って……と1番おいしい状態で提供できる時間を計算しています」(寿司リーマンさん)
多くの寿司職人が最もこだわるシャリは、米の種類から一緒に使用する水のpHに気を配るのはもちろん、炊きあがってから何分後に酢を混ぜるかも重要なのだという。
「ちょっとマニアなことを言うと『お寿司は生き物』です。温かいシャリが合うネタもあれば冷たいシャリの方が合うものもあります。お寿司の美味しさは酢飯のクオリティで7割ぐらい決まるといっても過言ではありません。ネタの仕入れはその日の天候や状況によってどうしても左右されますが、酢飯は寿司職人がコントロールできるもの。一番思い入れが強いんです。しかし遅刻をすると寿司職人の計算が全部狂ってしまい、嫌がられることが多いんです」(寿司リーマンさん)
それだけ提供時間にこだわっているということは、遅刻せずとも食べるのが遅いのもNGなのだろうか。
「たまにおしゃべりに夢中になって、カウンター上に寿司が溜まっていく人を見かけますが、最悪ですね。お寿司はお客さんの前に置いた瞬間が1番おいしいんです。なんなら寿司職人が出した瞬間に手が重なるぐらいのスピードで食べるのが1番美味しい(笑)。すごく厳しいお店だと、2貫溜まったら捨てますね、と捨ててしまう寿司職人がいるくらいです。その場の会話を楽しむのももちろん大切ですが、お寿司は最も美味しいタイミングで食べてほしいですね」(寿司リーマンさん)
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Twitter:@KA_HO_MA
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お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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