多くのモノを愛し、造詣も深い小泉孝太郎さん。映画『愛に乱暴』ではかげりのある男・真守役を演じ、俳優としての新境地を迎えた小泉さんに話をうかがった!
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初めての役柄で俳優としての新境地に
― 映画『愛に乱暴』では、江口のりこさん演じる主人公・桃子の夫である真守を演じました。出演が決まったとき、どのように思いましたか?
「江口さんと共演できることがうれしかったですね。『コップの水を飲む』という何げないシーンでも、江口さんにしか出せないような表現力をお持ちなんです。ちょっとしたセリフや動作であっても、その先に広がる奥行きを感じさせるような、不思議な魅力があるんですよね。しかも今作は夫婦役とはいえ、映画をご覧になればわかっていただけるのですが、特殊な関係性での芝居でした。ボクシングでいえば、江口さんから放たれる攻撃を僕はガードもしないでかわし続けるようなもので、それもまた役者としてとてもおもしろかったです」
― 今回演じた真守は、桃子と家庭生活を送りながらも心は常に別のところにあるという人物で、多くの人が小泉さんに対して抱く印象とは正反対でした。
「真守の人物像については森ガキ監督と話し合い、僕のパブリックイメージをゼロにして挑みました。夫としての自覚や責任感が希薄で、さまざまな言動が無意識に人を傷つける……『体温を感じさせない』人物です。実際に撮影が行われたのは昨年の8月で、連日の猛暑で現場はすごく大変だったのですが(笑)、真守はそうした状況でも『暑いな』と言わないヤツなんです。女性からしたら本当に最低のどうしようもない男で、映画をご覧いただいた多くの女性から目のかたきにされるのだろうなと覚悟しています(笑)」
― 映画が収録された同時期には、テレビドラマやバラエティ番組、『24時間テレビ』への出演など、他にも多くの仕事があったと聞いています。
「スケジュール的にも体力的にも大変でしたが、『愛に乱暴』の世界観は興味深いものでしたし、真守のようなかげりのある役柄は初めてだったこともあって、現場で過ごす時間は楽しかったです。他作品では刑事として容疑者を追いかけたり、医師として患者を救ったりと、まったく異なる役柄だったことも精神的なバランスが取れたように思います」
― 役作りに苦労したのでは?
「こう言っては失礼かもしれませんが、僕が出会ってきた中で真守に近い性質を持っていた方々を参考に、いろいろな要素を付け足していきました。人の目を見ない、声を張らない、うつむいて話す……前髪で目元を隠すのもそうですね。髪型については森ガキ監督からの要望もあり、長さまで細かくセットしました。とにかく本心を隠すんです。江口さんの目を見て演技したのは終盤のシーンくらいなもので、演技中の江口さんの表情をあまり覚えていないくらいなんですよ。とにかく心苦しい役でしたね」
― 真守はこれまでの小泉さんのイメージにはない役柄で、多くの人が驚くと思います。
「僕が見ても、『今までにない自分』がそこにいましたね」
― 映画の見どころを教えてください。
「映画をご覧いただいた後にどう感じるのか、男性と女性で意見が分かれる作品かもしれません。桃子にどこまで共感できるのか。真守はどんなにひどい男なのか。なかには真守の味方をする人もいると思います。はっきりとした答えはありませんが、男女の恋愛や夫婦の在り方に想いを巡らせたり、“普通の日常”のありがたみに気づかされる作品だと思います。ぜひ多くの方にご覧になっていただきたいです」
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