ツボ①【ストーリー性】シズル感のある伝わりやすいネーミング
情報過多の時代で商品名が長くなっている
──24年、博報堂買物研究所は「令和の“買物欲を刺激する20のツボ”」を発表しています。この定義から考えたとき、2024年の生活者が特に刺激されたと思うツボはありますか?
垂水 大きく3つが考えられます。まずは「ストーリー性」です。24年ヒットしたモノは、アイテム自体のストーリーがしっかりと伝わる商品名が多いように感じます。
──「空気でできたソファ」や「本に寄り添う文鎮」などですね。
垂水 はい。商品名を見ただけで魅力が伝わるような、言い換えれば、シズル感のあるネーミングは、今の生活者にとって重要なポイントなのかなと思います。最近、様々なブランドのPB(プライベートブランド)も商品名が長くなっています。こだわりや機能を商品名で伝えようとする傾向が強まっているのではないでしょうか。
無印良品の「空気でできたソファ」
コクヨの「本に寄り添う文鎮」
──少し前は、ダジャレっぽいというか、ひっかかりのある短いフレーズの商品名が多かったですね。
垂水 インパクトを与えて商品に興味を持ってもらい、商品を手に取ったり詳しく調べたりしてほしいという意図があったと思います。ですが、今は情報過多の時代で、素通りされていく情報がたくさんあります。たとえHPに熱いこだわりが書かれていたとしても、商品を見て、ちょっと気になったぐらいでは、HPまで見てもらえません。
──確かに、手間だと感じます。
垂水 生活者にそんな傾向があるからこそ、ストーリーをわかりやすく端的に伝えることが、商品を売る上で重要になってきているのかなと思います。
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この記事を書いた人
ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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