生まれ変わるなら東京に生まれて吉本に入りたい!?
――書籍では2022年12月のM-1優勝直後の井口さんの話も収録されていました。井口さんは『アナザーストーリー(M-1ファイナリストたちに密着するドキュメンタリー)』について、密着スタッフが“素の井口”を引き出そうとする中、『僕はずっと“井口”をやってた』とお話されていました。テレビでは特に“毒舌の井口”を求められると思いますが、素の井口さんはどんな方なのでしょう?
井口「毒舌のつもりはないんですけどね、僕はただ世直しをしたいだけで。ライブよりその後の飲み会の方が僕は悪口を言いますから。後輩たちは『裏では優しいはず』って勝手に信じてたみたいで絶望的な顔をしてました(笑)。だから変わらないですね、素も。『この番組ではこういうキャラ』『この番組ではこういうことを言う』って使い分けてたらしんどいじゃないですか。それで大変な想いをしている人もいるので。でも僕の場合どこに行っても言うことは一緒なんで、そういう意味では楽ですね」
――確かに、どの場面でも変わらず井口さんは世の中で盲目的に賞賛されているものに立ち向かうイメージが強いです。
井口「それは昔から本当にそうで。たとえばアンチ巨人なんですよ。物心ついた頃から、なんで巨人の試合ばっかり放映されるんだろうとか、なんで巨人ばっかりこんなにもてはやされるんだろうとか思っていました。Jリーグが開幕した時も当時はヴェルディが圧倒的に人気で、そういうのほんとに嫌いでしたね。だから吉本に対しても色々言いますけど、まぁ吉本は揺るがないし僕ごときがわーわー言ったってどうにもならないんで、そういう存在がいてくれる方が芸としてはありがたいですけどね。
……でも生まれ変わるなら東京に生まれて吉本に入ってやってみたい気持ちもあります(笑)。一度くらいど真ん中の王道を行ってみたい。」
――意外です……!いま、ちょっと井口さんの素が垣間見えた気がします。
井口「いや、でも特に最近は盲目的に賞賛されているものが多すぎるのでムカつくことの方が多いですよ!たとえばくるまの謝罪動画(注:オンラインカジノ賭博の騒動に関する動画を事務所の許可なく投稿したこと)、あれはどの事務所でもクビだから!あれに関しては吉本が正しいですよ。でも世の中の人は絶賛するんですよね~。最近だとバッテリィズのエースとか松井ケムリ(令和ロマン)が実は結婚していたことを内緒にしてた件、あれも祝福の声ばかりですけど、いやいや、1回嘘ついてるからねと。おめでたい話ではあるけれど、まずは謝れよ!と思いますけどね」
――じゃあ、井口さんは世の中に対して一切嘘はついてない?
井口「はい。いや、でもこれから嘘ついてきたいですね、そんな風に許される世の中なら。でも、どうせ僕が嘘ついた時に世の中の人は怒るわけじゃないですか。だから、エースやケムリを祝福するなら僕に対しても絶対怒るなよ!とは言っておきたいですね」
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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