フロントガラスにステッカーを貼ってもいいの?
そして今や付けて当たり前のドラレコもフロントガラスでは付ける位置が重要だ。ワイパーが届かない部分は避けるというのは実働上の問題だが、法律的にも道路運送車両の保安基準で決められていて、ガラス上部から全体の20パーセント内もしくはルームミラーの裏と定められている。注意したいのは、その範囲内ならステッカーを貼ってもいいのかというと、それはダメ。認められているのは車検などの公的なものやETCのアンテナだけだ。
さらに一部の車種には上部が薄い青の帯になっている、いわゆるハチマキが付いているが、こちらも法律的には認められていて、範囲は同じく上部20パーセント以内で、信号が確認できるほどの透明なら問題はない。運転時の安全に直接関係する部分だけにかなりうるさく規定されていると言っていい。
最近気になるのが、フロントガラスが虹色になっているクルマだ。なにか貼っているのだろうかと気になるが、法律的にはフロント、運転席・助手席の3面はフィルムを貼った状態で70%以上の可視光透過率が必要となる。ちなみに後部はどんなに濃くてもOKだ。つまりフロントについてはウインドウフィルムを貼るのは問題ないが、ほぼ透明なものではないとダメというのが実際のところ。断熱フィルムを貼ることもあるが、ほぼ透明だ。
では、あの虹のようなのはなにかというと、まずひとつはオーロラフィルムやゴーストフィルムと呼ばれるもので、高品質のものであれば専用の測定器を使って測ると可視光透過率は問題ない。フィルム以外にも輸入車、とくにドイツ車では純正で虹色になっている例も増えてきた。これは高性能遮熱発色ガラスと呼ばれ、紫外線や熱源である赤外線をカットして、車内を快適にするのが目的。発色の原理もフィルムと同じで、外圧で例外になっていると主張する人もいるが、可視光透過率もクリアしていてるので車検も問題なく通る。世界的な猛暑、酷暑だけに、これからも国産車を含めて増えていくだろう。
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ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
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