ポイント1. 自己投資─未来(将来)を見据えた消費
──買物研究所は、20年以上前から買物欲という概念を提唱し、昨年は「買物欲を刺激する20のツボ」を発表しています。今年4月には、その研究をまとめた書籍『売れている会社に共通するこれ買いたい!をつくるの技術』を出版しました。この定義から、2025年上半期の生活者はどんなツボが刺激されたと考えますか?
飯島さん(以下敬称略) 3つのツボが考えられます。最初は「自己投資」。もともとは頑張ったご褒美に何かを買うという意味でしたが、最近は未来に向けた視点が増えているように感じます。具体的には、自己啓発や美容のための投資です。
──自己啓発という意味では「大人のやる気ペン」、美容を幅広くとらえると「ULTRA LIGHT 日傘」ですね。紫外線でシミを作りたくないという思いで使う人もいそうです。
飯島 資格取得や勉強への消費は、まさに未来を見据えた消費です。買物研究所でも、未来を見据えての消費がトレンドに上がってきていることを2023年ごろの研究でキャッチしていました。
男性の日傘は、私も見かけることが増えており、普及が進んでいることを実感しています。また、未来を見据えた消費と相性がいいというか、重なる部分がありそうな消費原理として、コスパ意識があると思います。例えば、ちょっと高価な日用品が気になったとします。そのとき「これは何年使うだろう? 何回使うだろう? もし◯回使ったら一回◯円だ」と使用単価まで計算して考えるのです。
──未来を考えて計算するんですね。
飯島 ものによりますが、質がいいものは長く使えることが多いです。未来の使用イメージまで見据えてコスパ計算した結果、高級なものを納得して買うという消費もあるのかなと思います。
この記事のタグ
この記事を書いた人
ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
モノマックスの記事をシェアする
関連記事