ポイント2. 鮮度・体感---五感に訴えかけるネーミング
飯島 次は「鮮度・体感」です。新鮮さや活気を感じさせて買物欲を刺激するものは、時代に関係なく強いですが、2025年上半期は、ネーミングで鮮度を想起させるものが多くあったように感じます。
──汗がドロンと消える「アセドロン」や、ビター風味な「ザ・ビタリスト」、生チョコのような「生のときしっとりミルク」など、たくさんあります。
飯島 接触冷感のように体感する衣類もありますが、やはりこのツボは食品や飲料に多いです。季節感を感じさせるのも「鮮度・体感」のひとつです。
──「もへじ 凍らせておいしいみかんあいす」は季節感がありますね。
飯島 少し前のヒットでは、根拠や理由を押し出したネーミングが多かったと思います。例えば、商品名に数字が入っていて何かの成分が何%であることがわかるなどです。それが、新鮮さや旬な感じ、ニュアンス的なものをイメージさせるワードが使われるようになったと感じます。
──「キリン 華よい」もイメージ寄りですね。根拠を挙げられると一瞬考えてしまいますが、イメージ的なワードは直感で把握しやすいと思います。
飯島 五感へ訴えかけるものが増えた印象です。少し前のヒットでは、あえて情報を開示せず、生活者に「何だろう?」と思わせるものもありました。エンタメで多かったと記憶しています。
──映画『君たちはどう生きるか』や『TKE FIRST SLAM DUNK』ですね。今年の作品では『機動戦士Gundum GQuuuuuuX』も映画公開前はかなり情報を隠していて話題になったように思いますが、これはレアケースだったのですね。
飯島 商品の特徴をストレートに打ち出していくのは昔からの正攻法だと思いますが、特に消費者の五感を刺激するのが今のポイントだと考えます。
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この記事を書いた人
ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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