おすすめは、1窓あたり1時間で完了する“内窓”
ここまででご紹介した補助金制度により、コストを抑えて窓のリフォームができることは分かったけれど、もう一つ気になる問題と言えば、工事の手間でしょう。リフォームと聞くと、家を壊さないといけないほどの大掛かりな工事をイメージしてしまいますが、意外とそんなことはないようです。
「窓リフォームのおすすめの方法は、大きく2つあります。既存の窓の内側に新しい窓を追加する『内窓』と、壁を壊さずに既存の窓を新しいものに替える『外窓交換(カバー工法)』です。前者の場合は、1窓あたり約60分。また、後者でも半日程度で交換できます。どちらも家を数日間離れるような大規模な工事は必要ないので、窓リフォームは案外手軽に実施できるんです。ちなみに、内窓はマンションでも設置可能で、オーナーの理解・協力を得られれば、賃貸住宅でも設置はできますよ。コストや手間の観点から、圧倒的に人気なのは、内窓(外窓交換よりも金額が安い)。防音・防犯といった、断熱以外でのメリットも感じやすいです」
様々な窓があるが、注目してほしいのは一番右側の窓。アルミ窓(外窓)のみの場合、サーモグラフィーを見ると真っ赤になっている……。
外窓+内窓の場合、こんなに変わる!
窓サッシの材質も断熱性能に大きく関係するのだとか。昔ながらの窓に使われているアルミは、熱伝導率が高いそう(※既存の家ではアルミサッシ&ガラス1枚が約7割)。一方、樹脂サッシに使用されている樹脂の熱伝導率は、素材で比べるとアルミの約1/1400。上の写真は、YKK APのシュールームにて、アルミと樹脂それぞれのサッシを比較しているところ。樹脂サッシかつ内窓が、最強すぎる……!
「住まいの中で熱の出入りが最も多いのは、窓です。夏は外から入ってくる熱のうちの68%が窓から入り、冬は室内の熱の50%が窓から出て行ってしまいます。つまり断熱性能が低い窓の場合、冬はどんなに暖房をしてもせっかく温めた暖気が外に流出し、夏はせっかく冷房で室内を冷やしても窓から入ってくる日差しの影響が大きくエアコン効率は上がりません。住まいの不満の上位にあがりやすい『暑さ・寒さ』を解決するには、窓からの熱の流出入を最小限にするのが1番の近道です」
なお、算出モデルの家(LDK)の場合、内窓を付けたら、冷房代が1か月で約10.7%ダウンするという算出データもあるとのこと。さらに1年間の冷暖房費の差で見てみると、内窓を付けるだけで約30.4%もダウン!冷房代よりも暖房代のほうが高くなりやすいため、今夏はもちろん、秋冬を見越して窓リフォームを検討してみてはいかがでしょう?
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この記事を書いた人
ライター黒川 すい
アパレル業界に勤めた後、フリーライターに。ファッションはもちろん、グルメ、エンタメ、お出かけ情報など幅広いジャンルの執筆経験あり。ウェブを中心に活動中。趣味はアートトイの収集と喫茶店巡り。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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