#03 “水の城下町”「郡上八幡散歩」&夏を彩る「郡上おどり」
清流の恵みをたっぷり味わった後は、郡上八幡の町並みへ。江戸時代の商家や町家が並ぶ「水の城下町」は、国の重要伝統的建造物群保存地区。清らかな水路が流れる風景がなんとも風情たっぷり。通り名も「職人町」や「鍛冶屋町」など江戸時代そのまま。間口が狭く奥行きが深い家並みが続き、京都に似た雰囲気から「奥美濃の小京都」とも呼ばれています。
町割りや水路は、かつて城主・遠藤常友が防火のために整備したもので、今も生活用水や防火用として現役で活躍中。観光地化しすぎず、暮らしの中に歴史が息づいているのが魅力です。
過去に二度の大火に見舞われた郡上八幡では、火事対策が日常の一部。軒先に下がる消火用バケツは、昔ながらの防火意識の高さを物語る伝統のなごりで、見た目もどこかレトロでおしゃれ。いざというときは水路の水をすぐ汲めるようになっています。
さらに、水路の水をせき止めて水位を上げる木製の板「セギ板」も現役。花の水やりやスイカ冷やし、そして火事の初期消火など、昔ながらの暮らしの知恵が今も活きています。
そして、この町のハイライトは、ユネスコ無形文化遺産の「郡上おどり」。7月中旬から9月初旬まで30夜以上続く、日本一ロングランの盆踊りです。お盆の8月13日~16日には、一夜に数万人が押し寄せる「徹夜おどり」も開催。全国から郡上おどりファン、いわゆる「踊りすけべえ」たちが集い、町は熱気で大沸騰!
私が行ったのはお盆前の平日で、雨がパラパラ降ったりやんだりのちょっと不安定な日でしたが(警報以外は雨でもやる!)、それでも十分に熱気を感じられました。踊ろうと思ったのですが、結局その場で上半身だけマネしてみました。
個人的にグッときたのは、櫓(やぐら)の上での生演奏と生歌。三味線や太鼓、唄の音色が町に響き、懐かしくて心地いい!日本人のDNAが揺さぶられる瞬間でした。見よう見まねで楽しむ外国人観光客の笑顔もほほえましくて心がなごみました。
『郡上八幡の町並み』(郡上八幡観光協会)
住所:岐阜県郡上市八幡町島谷520-1
TEL:0575-67-0002
この記事のタグ
この記事を書いた人
ライター・エディター鈴木恵理子
11年間の編集プロダクション勤務を経て、2011年よりフリーランスに。雑誌やムック、ウェブなどで、ヘアやビューティページを中心に活動中。暮らしに役立つ実用系やメンズのビューティ記事の経験も豊富。好物は古物や古道具。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
モノマックスの記事をシェアする
関連記事