タカラトミーが誇る超人気ダイキャスト製ミニカー「トミカ」が今年、発売55周年を迎えた。常に120種の商品構成を維持し、月一ペースで新モデルを発売することで、そのラインナップは絶え間なく更新されている。
なぜトミカは半世紀を超えて、世界中の大人と子どもに愛され続けるのか?その尽きない魅力の秘密を、開発のスペシャリストとマーケティング担当者に直撃した!
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トミカを知り尽くした2人に半世紀以上を超えて愛される魅力を聞いた!
株式会社タカラトミー トミカ事業部 遠藤勇希さん
20年以上トミカの企画開発に携わり、歴史と伝統を受け継ぐトミカのスペシャリスト。大人向けトミカ「トミカプレミアム」誕生の立役者。
株式会社タカラトミー トミカ事業部 安野華英さん
幅広くトミカに関わり、現在tomica+のマーケティングを担当。今年上半期のヒット商品「トミカガレージ」のプロモーションも担当。
「人生最初のマイカーです」。トミカ開発担当の遠藤さんは、トミカをこう表現した。子どもでも自分の意志で手に入れられるクルマという意味だが、実際トミカを初のマイカーにした人はかなりの数に上るはず。長年トミカが愛される理由を遠藤さんはこう話す。
「一番大きい要素は安全性と両立させたかっこよさです。本物のイメージをそのまま落とし込むことにこだわり、誰が見てもあのクルマだと認識できるスタイリングは発売当初からこだわり続けている部分です。また、多種多様な遊び方ができるのもトミカの魅力です。細部を眺めるもよし、走らせるもよし、飾るもよし。ドアの開閉やサスペンション機能を搭載しているトミカは実車のようなアクションも楽しめます」
社内で保存されている1970年当時のチラシです。最初は身近なクルマからスタートしたので、初代の6車種は当時人気だった国産車や子どもたち憧れの職業のクルマが選ばれています。
このかっこよさは一切妥協しないデザインから生まれる。
「カタログや図面だけを見てトミカを作ることはほぼありません。なるべく実車を見るようにしています。カタログや映像だけでは気づかない部分もありますから。かつては、普段では見えにくい大型車のルーフや、ある車種のテールライトの光り方を確認するために、歩道橋や道路沿いの高いところで長時間粘ってチェックしたこともありました。基本的にトミカは上から見下ろして見られることが多いので、あらゆる姿の再現を目指しています」(遠藤さん)
これほどの情熱があるからトミカは幅広い層から支持されるのだ。ファン層の広がりに応えるため、現在トミカは幅広いシリーズ展開を行っている。今年10周年の大人のためのトミカシリーズ・トミカプレミアムもそのひとつだ。
「約20年前から、大人が自分のために玩具を買い求める風潮が広まってきたことと、かつてトミカを楽しんだお子さんが親になり、親子でトミカを楽しむ姿が見られるようになったこと。これらを受けて、大人が楽しめるトミカを作れないかと考えたのです。通常のトミカではできない過去のクルマや、クルマ以外も航空機などを『移動体』と定義して商品化の対象とし、派生シリーズのトミカプレミアムunlimitedでは映画やアニメに登場するメカも商品化しています」(遠藤さん)
55年前(左)と最新のトミカプレミアム(右)とで目立って違うのは塗装や印刷。これらの技術の進化によって、ウインカーやエンブレムなどの塗装やライン入れなどの細かい表現が可能になりました。
「多様性社会を意識したシリーズもあります。ドリームトミカは国内外の人気キャラクターとコラボした夢がいっぱいつまった移動体のシリーズで、性別問わず楽しめるラインナップです」(安野さん)
幅広い層にトミカの魅力を伝える動きは、今年ひとつ実を結んだ。トミカプレミアムの派生シリーズ・tomica+の『tomicaGARAGE』が大ヒットしたのだ。
「トミカを未開封で大切に保管してコレクションするファンに向けた新たな提案として、箱から出して遊べて、きれいに飾れるものを作ろうと思ったのがきっかけです。アジアの国々でもヒットし、海外のファンに受け入れられたことが嬉しかったです。tomica+は今年からの新しいシリーズですが、今後もトミカをはじめとする国内外のミニカーファンの方々に楽しんでもらえるような、想像力を刺激するものを、魅力的な形で世に送り出せたらと思います」(安野さん)
「トミカプレミアムシリーズは、大人の方がもう一度トミカに触れる機会になり、気軽に手に取って楽しんでもらえるように充実させていきたいです」(遠藤さん)
トミカの56年目の抱負は?
「ビジネス的な話では、海外展開にも注力してアジアをはじめ世界中のお子さんや大人の方に楽しんでいただけるブランドになっていけたらと思っています。私個人の抱負としては、お子さんにも大人の方にも一番身近なクルマであってほしいです。あとはやはり、トミカはずっと人生最初のマイカーでいてほしいです」(遠藤さん)
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この記事を書いた人
ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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