同じ「ふくちゃん」でカップ麺が2種……何が違う?なぜ2種作った!?
そして完成した「ふくちゃんラーメン」のカップ麺は2025年1月にタテ型タイプが、2025年9月にはどんぶり型タイプがファミマの店頭に並びました。

(左)ふくちゃんラーメン監修 豚骨ラーメン ¥288
(右)ふくちゃんラーメン監修 豚骨ラーメン どんぶり ¥320
同じ名店コラボでも異なるコンセプトや味わいのものが2種登場することはありますが、ファミマの「ふくちゃんラーメンカップ麺」はいずれもお店の味を目指したもの。なぜ同じコンセプトで2種類つくったのでしょうか?
「そもそも、カップ麺はタテ型とどんぶり型で買われ方が異なる傾向にあります。タテ型とは昼食時などそこまで時間がない時でもサクッと食べることができるイメージですよね。一方、どんぶり型は夕方以降の売り上げが高い商品です。自宅でゆっくり食べるために、お菓子や冷凍食品などを一度にたくさん買ってくださるような方に選ばれる傾向が強いです。そのため、両方をつくっても売り上げとしては競合しないという想定で、あえて同じ名前で出しました」(長谷田さん)
それぞれタテ型が今後の定番になりうる存在、どんぶり型は数量限定商品として発売したこともあり、微妙に味やトッピングにも違いがあります。
「タテ型は、ふくちゃんラーメン名物のクラッシュにんにくを再現するため、“おろしにんにく”が別添でついています。ラーメン店でにんにくクラッシャーを使ったのはふくちゃんが初と言われているのですが、卓上のにんにくをお客さんが自分で入れることができます。僕は最初の1杯はそのまま食べて、替え玉をするときにクラッシュにんにくを加える派です!」(長谷田さん)
そんな「後入れ派」でもお店同様にんにくを楽しめるよう、最初からラーメンと混ぜるのではなく、別添というわけです。カップ麺におろしにんにくを使うこと自体は、他メーカーでの取り扱い実績があるものの、定番商品で使用しているケースは他社含めて珍しいことだといいます。ふくちゃんではクラッシュにんにくを使う人がかなり多く、「おろしにんにくを入れることは、今回のこだわりのポイントとして採用しました。
また、前述のようにタテ型は職場や学校で昼食時に食べる方も多いことから、別添のおろしにんにくを入れなければ匂いも気にならず食べることができるように、という意図もあります。
別添のおろしにんにくは、なめらかで風味が際立つ
「通常、カップ麺でにんにく味を表現したい場合は粉末にしてスープに最初から混ぜ込むことが多いのですが、こうした理由から別添にしました。コストはかかりますが、こだわったポイントですね」(長谷田さん)
スープだけで3種類の小袋を使用
一方、どんぶり型のほうはさらにスープをお店の味に近づけることにこだわったといいます。実はふくちゃんラーメンのスープは豚骨のバランスをとにかく大事にしていることが特長で、店主榊さんは休日もお店で豚骨スープの味を調整する作業をするほど。スープは2種類あり1つはその日に炊いたフレッシュな豚骨スープ、もう一つはずっと煮立たせ続けている濃厚なスープ。この2つを毎回バランス調整しているのです。
「詳しくはお伝えできないのですが、榊さんのこだわりをカップ麺でもより再現すべく材料や製法にこだわりました。さらに麺も通常はセミオーダーで製造するところ、ふくちゃん専用にフルオーダーで材料や細さを細かく仕上げました」(長谷田さん)
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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