欧州で普及した背景と、スタッドレスタイヤとの決定的な違い
もともとオールシーズンタイヤは欧州で普及したもので、長距離を一気に走り抜くため、天候や路面状態が変わることが多く、履き替えなしで対応するために誕生した。確かにレースのように移動途中で夏タイヤからスタッドレスに交換するというのは非現実的だ。スタッドレスタイヤでドライ路面も走れるだろう、と思うかもしれないが、ゴムがかなり柔らかいのでドライ路面を走ると摩耗しやすいし、走行安定性もよくないこともある。高速道路での走行速度域が高い欧州ではこれはデメリットとなる。

特徴的なトレッドがガッチリと雪を噛むことでグリップを確保する。
技術的な特徴としては、寒くなっても硬くならないほどよいしなやかさをもったゴムと、雪道でしっかりと雪を掴んで排雪するトレッド(溝)。とくにトレッドは濡れた路面での排水性も確保しているのがポイントとなる。この点については規格があって、タイヤのサイドを見るとさまざまな記号が付いているが、「M+S」というのがまず条件となる。
Mはマッド(泥)で、Sはスノーを表していて、もともとはSUVやクロカンなど向けタイヤに付けられることが多い規格だ。アメリカはこのM+Sを好む傾向にあるが、泥地は行けても雪道は実際のところ、かなり厳しい。ニュースで「北米で寒波、スリップ多発」として滑ってぶつかるクルマを見かけるが、M+Sのみの装着だからというのが大きな理由。そもそもアメリカではスタッドレスに履き替えるという意識はほぼないに等しい。
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ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
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