鉄のフライパンは、強い火力で炒めたり焼いたりできるので、料理がおいしく仕上がります。そうした特性から、火力の微調整がしにくいキャンプでも、強火でガンガン使える鉄のフライパンは好まれています。
「ドンキの本気がすごい商品」“異次元消臭”のネーミングに偽りなし!香りで誤魔化さない消臭スプレーをドン・キホーテマニアが体験レポート
でもその一方で、重くて持ち運びにくく、手入れをしないとすぐに錆びついたり、焦げ付いたりするという扱いにくさも持ち合わせています。
こうしたデメリットを解消し、キッチンでもアウトドアでも使いやすいと評判になっている鉄フライパンが「極sons COCOpan」(以下、COCOpan)です。鉄のフライパンながら、取っ手が取り外せるというのが特徴です。
実力を試そうといろいろ使ってみたら、あまりにも有能で便利すぎました。その優れポイントをご紹介します。
取っ手が取れるだけで使い勝手が大きく向上
COCOpanのコンセプトは「クック&サーブ」で、調理した料理をそのままテーブルに運び、取っ手を外して食器として熱々のまま料理を提供できます。
取っ手が外れることで、調理時にオーブンや魚焼きグリルに入れられるなど、フライパンの域を超えた活用の幅が広がります。
本体は鉄製なので、強火の高温で短時間で焼き上げたり、炒めたりできます。肉なら旨味を閉じ込めジューシーに、野菜ならシャキッとした歯ごたえを残した調理ができるというわけです。
COCOpanは、取っ手の外れる鉄のフライパン。形状やサイズにいろいろ種類があり、今回使用したのは、炒め24cm(6930円・税込)と、持ち手L型(1650円・税込)です。
持ち手は固定タイプではなく、使うときだけ挟んで使います。
窒化処理で鉄製フライパンの弱点を克服
しかも鉄の調理器具につきものの、焦げ付きやすい、錆びにくいという短所を解消。窒化処理という、鉄の表面を窒素で硬化させ、高い耐摩耗性と耐腐食性を実現しています。
通常の鉄板の約5倍の強度を実現し、錆びにくく、焦げ付きにくいフライパンになっています。さらに使い始めの「空焚き(シーズニング)」も不要で、使い終わりも洗って乾かせばよく、油を塗っておくような面倒も必要ありません。
フッ素加工などのコーティングなどとは異なり、摩擦や高温によってコーティングが傷んだり剥がれるようなことはありません。COCOpanはきちんと使えば一生モノです。
鉄には窒化処理がなされていて、強度が高まり、錆びにくく、焦げ付きにくくなっています。
実はこのCOCOpanの製造元は、リバーライト社。同社の「極Japanシリーズ」という、世界中で使われている定評ある製品と同等のものなのです。製品名につくブランド名の「極sons 」には、「極Japanシリーズ」の末っ子という意味が込められているそうです。
COCOpanシリーズには、一般的なフライパンの形状をした「ベーシック」や、炒めものがしやすい「炒め」などいくつもの種類があり、さらにそれぞれにサイズの異なる製品がリリースされています。今回は「炒め」の24cmを使って、いろいろと試してみました。
本体に付けられているネームタグには、ブランド名のCOCO、製造元のリバーライトに加え、個々の製品につけられた固有のシリアルナンバーがリベット留めされている。
シャキッとしてパラパラ! 炒めものには最適
「野菜炒め」は中華料理店の仕上がり
まずは炒めものの基本的な調理として、野菜炒めを作ってみます。
鉄のフライパンの原則は、使い始めに煙が出るくらい十分に加熱することです。加熱することで、食材を入れたときに温度が下がらず、高温で短時間調理ができます。
野菜の炒めものなら、高温で炒めることで野菜の水分が出ず、シャッキリと仕上がります。今回はコンビニで売っているカット野菜でやってみましたが、味付けも塩とコショウだけなのに、中華料理店の仕上がりになりました。
フライパンを十分に加熱して、強火を生かして短時間で炒める。
コンビニで売っているカット野菜でも、中華料理店の野菜炒めの仕上がりに。
「チャーハン」は完全にパラパラ
炒めものといえばやっぱりチャーハンです。これも強火と短時間調理が必須の料理。
強火でしっかり加熱したところに、十分な油と卵を入れ、すかさずご飯を投入します。ご飯全体に卵のコーティングが行き渡ったところで、具材を追加。さっと炒めて、あとは調味料で味付けしました。
もうこれだけで完全にパラパラのチャーハンができあがりです。パラッとしているのに、ご飯のふっくらさも感じられるワンランク上のチャーハンができました。
強火+鉄フライパンの威力はすさまじいです。
これも強火でさっと炒めることで、短時間ですぐにパラパラになっていきます。
誰でも簡単にお店レベルのパラパラのチャーハンが作れます。
中華鍋的な使い方ができてそのままサーブも
「中華風かに玉」はふんわり
炒めやすいように深さのある製品なので、中華鍋風に使ってもとても扱いやすいです。卵の炒めもの料理である、中華風かに玉を作ってみました。
かに玉とはいうものの、材料で使うのはもちろんカニカマです。それと卵、ネギを十分に加熱したフライパンに投入します。端の部分から固まってきたところを、真ん中に寄せるようにしてまとめていきます。表面が固まり、中身に半熟加減を残した、ふんわりしたかに玉ができあがりました。
熱の回り方が早いので、中身が半熟状になったふんわりとしたカニ玉ができあがりました。
「青椒肉絲」も短時間でシャッキリ
中華料理の定番、青椒肉絲(チンジャオロース)も作ってみました。やはり強火でしっかり加熱したフライパンに、下味をつけた豚肉を投入して炒めます。さらに細切りにした野菜を入れて、手早く炒めます。
肉のジューシーさを残し、野菜はシャッキリとした青椒肉絲ができました。こうした大皿料理こそ、熱々のままテーブルに運んでサーブするのに最適です。皿に移すよりもあたたかさをずっと長くキープできます。
肉をさっと炒めたあとに、野菜を投入して、手早く炒めると、野菜がシャッキリとした青椒肉絲に。
できあがった料理は、そのままテーブルに運んで、熱々のまま取り分けてもらえます。
いろいろな調理に使えて万能感がすごい
「ハンバーグ」もオーブン調理でふっくら
鉄のフライパンは焼く料理も得意なので、ハンバーグを焼いてみました。一般的に肉料理は、強火で表面に焼き色を付けたら、あとは弱火でじっくり火を通します。
ですが、今回は取っ手が取れるという利点を生かして、表面に焼き色を付けたあとに、オーブンに入れて加熱しました。
オーブンで加熱すると生焼けのリスクが少なく、しかもふっくら焼き上がります。今回は200度で10分ほど焼きました。真ん中が丸くふくらみ、ふっくらと仕上がりました。
オーブンにもそのまま入れられるのは、取っ手が取れるからこその利点ですね。サイズによっては魚焼きグリルに入れて使ったりすることも可能です。
加熱したフライパンで、強火のまま表面に焼き目を付けていきます。
両面ともに焼き色を付けたら、200度に予熱したオーブンに入れて10分ほど加熱。
真ん中が丸くふくらんだ、ふっくらしたハンバーグができあがりました。
本格的な「スパイスカレー」にも便利
深さのある形状なので、煮込み料理的なものにも使えます。ここではスパイスカレーを作ってみました。
油でスパイスを加熱して香りを出したあとに、玉ねぎを炒めます。トマト缶を投入して、チキンを入れて煮込みます。チキンに火が入ったら、粉スパイス(またはカレー粉)を入れてできあがりです。20−30分でできます。
キャンプでも食べたくなる料理のひとつですが、スパイスカレーなら長時間煮込まなくてもすぐにできますし、普段とは一風変わった味わいが喜ばれます。昼のバーベキューで残った野菜などをトッピングすれば、見た目もちょっと豪華な感じになりますね。
クミンとローリエ、シナモンスティックを入れてオイルに香りを出しました。
玉ねぎやトマト缶、チキンなどを入れて加熱し、粉のスパイスを加えました。
30分もかからずに本格スパイスカレーのできあがり。ソテーした野菜などを乗せてもよいですね。
本格的「アクアパッツア」も簡単でおいしい
深さがあるフライパンなので、食材を焼いて、そのまま煮込むといった調理方法にも向いています。今回はアクアパッツァをやってみました。
高温に熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、魚を皮目から入れて両面に焼き目を付けます。魚が浸るくらいの水を入れて、強火で煮立てます。沸騰したら魚に煮汁をかけ、あさりやミニトマトなどを投入します。
そのまま強火の状態で、煮汁を全体に回しかけます。アサリが全部開いたら、オリーブオイルをたっぷりかけます。最後にバジルをちぎり入れ、塩コショウで調味すればできあがりです。
ずっと強火で煮汁をかけ続けるというのがこの料理の特徴で、高温を維持しやすい鉄のフライパンは最適でした。
加熱したフライパンで魚に焼き目を付けます。今回はイサキを使っています。
水を投入して、アサリやミニトマトなどを入れて、沸騰した煮汁を魚にかけながら煮ていきます。
最後にオリーブオイルとバジルで仕上げたアクアパッツァ。やってみると簡単でとてもおいしいです。
軽くて持ち運びやすいからアウトドアにも
キャンプなどで使われるスキレットやダッチオーブンは鋳鉄製なので、重量もあり、持ち運びが大変です。家庭で使うにしても、重い調理器具は洗ったりするときに苦労します。
鉄のフライパンも重いものが多く、フッ素加工のフライパンでもIH対応のものは、案外1kgを超えるものも少なくありません。
ところが今回使用したCOCOpanは、持ち手を合わせても800g台しかありません。本体だけなら600g台でした。この軽さは大きなメリットです。しかも、違うサイズのアイテムを重ねてスタッキングすることができるので、保管や持ち運びにもとても便利です。
また、使い方も鉄の場合にはある程度ラフに使っても大丈夫ですが、フッ素加工のものはかなりデリケートです。例えば空焚きや高温調理、急激な温度変化などは厳禁です。
こうやって見ていくと、調理がおいしくできて、持ち運びやすく、使い勝手のいいCOCOpanがアウトドアで人気になるのもうなずけますね。
持ち手と合わせても800g台なので、使い勝手もよく、持ち運びにも負担になりません。
別売りのキャリングケースneo(6600円・税込)は、重ねたCOCOpanをまとめて持ち運べます。持ち手を入れるポケットがついていて、持ち運び時にもカタカタ音がしません。
ベーシックのサイズ違いをスタッキングした様子です。こうやって重ねて収納できるのが便利ですね。
取っ手が外れる鉄フライパンはすごく使える
実は、使う前には「リバーライトの鉄フライパンで取っ手が外れるっていうだけでしょう」と思っていました。でも実際に使ってみると、取っ手が外れるというのはかなり便利になることがわかりました。
例えば調理中もフライパンの持ち手が手前にあると、移動のときに引っ掛けそうになることが少なくありません。取っ手なんて使うときだけあればよく、常に付いている必要性はありません。
取っ手を外してそのまま食卓にサーブできるのも便利です。できたての料理は、熱々のまま食べてほしいものです。蓄熱性のある鉄の器でそのまま出せば、おいしく食べてもらえます。
そしてさくっとオーブンなどに入れて調理できる点も調理の幅が広げます。COCOpanを試している間は、ほぼこれだけでいろいろな調理をしていたといっても過言ではありません。それくらい便利に使えました。
そのうえ、鉄製フライパンなのに焦げ付きにくく、手入れの面倒がないこともとても便利でした。もちろん鉄製フライパンならではの料理の仕上がりにも満足しました。
アウトドアにも便利ですが、キッチンだけで使ってもとても有能です。COCOpanは使っていて楽しくなる調理器具です。
COCOpanオフィシャルサイト
https://cocopan.co.jp/
取材・文・写真/栗山琢宏
この記事のタグ
モノマックスの記事をシェアする