国産のバイクは長く70年〜80代のヴィンテージモデルが大人気だ。当時、新車販売価格は100万円もしなかったはずなのに、半世紀近くのときを経て1000万円に近づく中古車販売価格で取引されていたりするから驚く。さらに驚きなのが、そういったプライスがついていながらも在庫が足りなくなるくらい活況だという。クラシカルなスタイルに注目が集まるモーターサイクル市場だが、モト・グッツィから古き良き時代、70〜80年代のヴィンテージバイクを彷彿とさせる「V7 SPECIAL(ブイ7 スペシャル)」が発売となった。
クラシカルでエレガント
モト・グッツィは高い技術力が評価されているイタリアのモーターサイクルブランドだ。今回発売となった「V7 SPECIAL」は卓越したシャーシを設計による爽快な走りを実現したレジェンドモデル。遡ること50数年前に誕生した「V7」シリーズは厳しいテストを重ね、1970年にロサンゼルス市警の入札を勝ち取るまでの信頼厚きバイクとなる。
その後、「V7ポリス」と呼ばれるモデルは「モト・グッツィ」というブランドの権威を示すことになるのだ。そのクラシカルでエレガントな「V7」シリーズに現代の機能が備わって、最新モデルとして登場したのが「V7 SPECIAL」だ。かつてのレジェンドモデルを想起させる多数のクロームパーツに彩られ、モダンで鮮やかなグラフィックが特徴となっている。
旧車のような最新モデル
プラスチックを多用する現代のバイクと違い、旧車は高品位なクロームメッキのパーツが上品に驕られている。では現代的なバイクにクロームパーツを多用すれば、クラシカルでエレガントな仕様になるかといえば、各パーツ類のそもそものデザインが現代的なので、なかなかしっくりこないのが現状だ。
しかし今回登場の「V7 SPECIAL」は一見すると旧車のようなフォルム。バーハンドルにはクロームのミラーが装着され、カラーストライプをあしらった燃料タンク、分厚い段つきシート、タンデムシートにはクロームのグラブレールが装備され、クロームの両サイド出し2本マフラー、クロームのスポークホイールといった仕様がまるで70年代のヴィンテージバイク。それでいて2023年の最新モデルなのだ。
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この記事を書いた人
パーツデザイナー坂東 漠
スタンドがないと倒れる。ライダーの支えがないと自立できない。ライダーがいてもときにコケるといった2輪車の特性に魅了され、自転車、e-Bike、モーターサイクルの部品を開発。多くの人は気づかないが、それがないと成り立たないといったパーツを手がけている。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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