MonoMax本誌にて好評連載中の「小沢コージの遊べるクルマ」では、自動車ジャーナリスト小沢コージさんが、ただの移動手段として使うだけではもったいない、遊びたくなる魅力を秘めたおすすめの1台を紹介しています。
今回は「奇跡の愛されフレンチワゴン」と高評価のルノー カングーの魅力に迫ります!
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飾りっ気のなさがすごい!無塗装バンパーにビキニ鉄ホイールのクレアティフはニッポンだけ!!
2000年代に入り、奇跡のニッポン独自ブームを作ったクルマがありました。それは2002年初上陸のフランス実用車、ルノー カングー。もともとはハッチバックの後部に貨物室を付けたようなMPV(マルチパーパスビークル)。本国では郵便局や職人などのプロが扱う貨物グルマであり、日本でいうトヨタ ハイエースや日産キャラバン的な存在です。
しかしここからが違っていたのです。カングーはアートの国、フランス生まれのせいかデザインがネコバスのように可愛く、シートの作りや乗り心地も驚くほど快適。それでいて欧州車では珍しく両側リアスライドドアまで装備。すると日本の一部マニアやファミリー層に熱狂的に気に入られて奇跡の大ヒット。以来約20年にわたって、ルノー・ジャポンの販売の約3割を占め続け、同社では「カングー一本打法」といわれるほどヒット。
いわば欧州のプロ用工具が、日本でオシャレ雑貨として認知されるような「うれしい価値観の相違」が生じ、奇跡のロングセラー化。日本では独自のオーナーイベント「カングージャンボリー」が、コロナ禍を除き毎年行われるほど定着していたのです。
ところが今年上陸した3代目は当初、「奇跡の日本ブームは終わるかも?」的なウワサが流れました。それは時の流れからサイズが拡大するだけでなく、フォルムがビジネスライクな箱型に変身。先進安全性能や質感も増し、ある種「普通のクルマ化するかも」というのです。しかし実際に現物をチェックした小沢は、四角く素っ気ないフォルムを確認しつつもファン心理を考慮した日本専用の愛されディテールに安堵しました。
まず安心したのはサイズで、長さ21cm、幅も3cm拡大しましたがそれでも全長4.5m以下、横幅1.86mと抑えめ。さらにディーゼルが選べるようになり、すごいのは欧州では業務用でしか選べない観音開きダブルバックドアや、無塗装バンパー、ハーフキャップ鉄ホイール付きの日本専用「クレアティフ」が選べること。確かに可愛さは減りました。でも質実剛健さは確実にアップしています。!
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