「MDに詰め込んだプレイリスト、まだ手元にある?」青春の音源がついに生産終了…1992年に誕生したソニーの名音源“ミニディスク”の誕生と終焉に迫る
執筆者: MonoMax編集部
スマホとBluetoothスピーカーの進化で手軽にいい音が楽しめるようになった昨今。しかしレコードやカセットなど“昔の音楽メディア”にも、何物にも代えがたい魅力がある。そこで今回は、MonoMax世代の青春の音源「MD」を深堀りして解説する。
ついに生産終了!青春の音源、MDの今とこれから
80年代の終わりになると、CDが普及してデジタルオーディオが我々の身近な存在となった。そうすると音楽の録音に使われていたカセットテープの音質が見劣りするようになり、次世代のカセットを求める声が大きくなった。そのような中で誕生したのがソニーが開発したMD(ミニディスク)だ。
ソニーが生んだMDとは?
1992年に発売されたMDはソニーが独自に開発したもの。データの書き換えには磁気を使うものの、データはレーザーで読み取ることができる。小さく使いやすいメディアとして爆発的に普及した。
CDの直径が12㎝なのに対し、MDのディスクの直径はわずか6.4cm。記録できる容量はCDの約4分の1ととても小さかった。しかしカセットと同じ役割を担うとすると、この小さなMDにCD1枚分の音楽を録音できないといけない。そこで開発されたのが、音楽を圧縮する技術だ。
音楽を圧縮するフォーマットとして有名なのは、現在でも使われているMP3などだろう。もっともMP3が誕生したのは1990年代半ばなので、MDより後のこと。つまりMDに採用されたATRACというフォーマットは、こうした圧縮オーディオの元祖のようなものだった。このソニーが開発した圧縮技術により、CDはわずか4分の1の容量の小さなMDに収めることができるようになったのだ。
カセットより小さなディスクにデジタルオーディオを収めることができたMDは、ポータブルオーディオやカーオーディオの分野で爆発的にヒットした。とくに現在40歳前後の方はMDでライブラリーを作った思い出をお持ちなのではないだろうか。しかし、MDの全盛期は短かった。2001年、あのiPodが発売されたためだ。さらにスマホの普及にともない、音楽プレーヤーそのものも存在感をなくしていったのはご存じのとおりだ。
もっとも日本ではMDでライブラリーを作っていた人も多かったため、たとえば結婚式場など、一般の人が音楽を持ち込むときにMDが使われることも多く、業務機としてMDデッキはほそぼそと作られていた。だがその業務機も1、2年前に生産を終了。さらに今年に入りMDそのものの生産も終え、ひっそりと姿を消した。
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