
近年、コンビニのカップ麺コーナーは有名店コラボの戦場と化していますが、実はラーメンファンの間では「豚骨ラーメンのカップ麺化はハードルが高い」のが通説となっています。そんなジンクスを見事に覆し、豚骨ファンさえも「よくできている」と評価したのが、ファミリーマート限定で登場した「ふくちゃんラーメン」のカップ麺です。
福岡でナンバーワン人気を誇る名店とのコラボを実現させたのは、ふくちゃんラーメンに長年通い詰めたという開発担当の長谷田さんの熱意でした。店主がどのメーカーも断っていたコラボをなぜ許したのか。そして、スープや麺、別添にんにくへの常識外れのこだわりに隠された「驚異的な再現度の秘訣」を、長谷田さんへの直撃インタビューで明らかにします。
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福岡ナンバーワン人気!? ふくちゃんラーメンって知ってる?
株式会社ファミリーマート
商品本部 飲料・酒・煙草部
長谷田恭一さん
ファミリーマートでカップ麺の開発担当をしている長谷田さんは、カップ麺担当となって4年目。ある日上司から「せっかくカップ麺の商品担当になったんだから、自分の作りたいものを作ってみたら」と言われたといいます。
「すぐに頭に浮かんだのが福岡県の『ふくちゃんラーメン』でした。僕は福岡出身なのですが、『ふくちゃんラーメン』は実家から近かったこともあり、6歳くらいから大学を卒業する22歳までかなり頻繁に通っていたんです」(長谷田さん)
ふくちゃんラーメンの店舗
「ふくちゃんラーメン」は今年創業50周年を迎える福岡でナンバーワン人気のラーメン店です。店は1店舗しかないにも関わらず、「RKB まじもん!」という番組では今年10月、“福岡県民5000人が選ぶ!豚骨ラーメンランキングTOP20“のランキングの中で2位に圧倒的な差をつけて1位にも選ばれました。
主に九州エリアで圧倒的な人気があるお店ですが、美味しさを確信している長谷田さんは「全国でもカップ麺が売れるチャンスがある味だ」と考え、社内でカップ麺化を提案。しかしいよいよ商品化を進めるタイミングで「福岡ではかなり有名な店なのにカップ麺化ができてないのは、何か理由があるのでは」と気づきます。
「どうやら様々なメーカーさんからカップ麺化の打診はあったものの、店主の榊さんは断っていたようでした。そこでどうしたらいいのか考えていたところ、製造元であるサンヨー食品の担当者が『ファミリーマートのカップ麺担当がこんなに熱意を持っています』と先に打診に訪れてくれたんです。話を聞いた榊さんは僕が同じ大学出身だったことから縁を感じてくれて、『一度会って話を聞いてもいいよ』と言ってくれました」(長谷田さん)
長谷田さんとふくちゃんラーメンの店主榊さん
早速ふくちゃんラーメンを訪れ、かなり頻繁に通い詰めていたことを伝えた長谷田さん。榊さんは残念ながら当時の長谷田さんのことは覚えていなかったようですが、「当時はラジオでホークスの中継が流れていましたよね」「子どものころペコちゃん飴をもらってました」などと話すうちに“本当に昔から通っていたんだね”と理解してもらえたといいます。そして見事、どのメーカーもなしえなかった「ふくちゃんラーメンのカップ麺化」が実現することに!
長谷田さんにラーメンの作り方を伝授する榊さん
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この記事を書いた人
ライター松本果歩
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。日本酒・焼酎・発酵食品が好き。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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