SUVの波、そしてハイブリッド化は世界的な流れとなっている。それはフランス車も例外でなく、今回注目したのがルノーのアルカナだ。
欧州車ではマイルドハイブリッドが主流だが、アルカナは輸入車唯一のフルハイブリッドを採用していて輸入車初心者にもおすすめの一台!
初めてのフランス車としてもおすすめできる理由を5つのポイントで紹介しよう!
[ポイント 1] 一目惚れで衝動買いもあり!? 見とれるようなクーペデザインSUV
フランス車と聞いて思い浮かべるのは、まずはデザインやスタイルのよさかもしれない。アルカナも例外ではなく実車を眺めてみると、絶妙なそのデザインにはさらに心を奪われるばかり。そこには個性的とひと言では片付けられないなにかがある。
スタイルとしては世界的に流行しているSUVとクーペスタイルのクロスオーバーといったところだが、大径のホイールやルノーの象徴でもあるCシェイプを取り入れた前後ランプなど、ディテールにも見どころは多い。
これらを単純にミックスすればいいというものでもなく、ルノー的なセンスのよさで昇華してうまくまとめ上げている。ただし、具体的にどうなのかなど言葉にできるほど簡単なものではなく、それほど絶妙だ。それゆえ、流行り廃りに流されない安心も感じられるわけで、このあたりのセンスは流石と言うしかない。
ふとした日常の風景でもアルカナが止まっているだけで、非日常へと変わるのは不思議な感覚だ。ぜひ体験してみてほしい。
長い伝統に裏付けられた文化という点では日仏は共通しているだけに、日本の伝統美とも予想以上に溶け込んでいる。
[ポイント 2]エコカーのイメージが覆る! F1で鍛えられたハイブリッド技術は走りとエコを両立
アルカナは走りも先進かつ個性が溢れている。アルカナは欧州車には珍しいフルハイブリッドなのだが、E-TECH HYBRIDと呼ばれるその仕組みはかなり独特だ。
これはF1テクノロジーをフィードバックしたもので、マニアックな視点でいえばF1でも使われているドグクラッチを市販用にアレンジして採用しているのがポイント。モーターもふたつ搭載して複雑に制御している。これらのおかげでEV走行ができたり、素早い変速とダイレクトな走りを楽しむことができる。
日常的な街乗りのシーンではモーターによるアシストを積極的に行って、ストレスのない静かで滑らかな走りを楽しむことができるし、走り出しはモーターのみでの走行なので、早朝の住宅街でも気を使うことはない。そしてひと度、高速道路ともなると、エンジンならではの躍動感溢れる走りに心揺さぶられる。もちろん燃費もWLTCモードで22.8km/Lとかなり優秀である。
モーターとエンジンそれぞれの強みを最大限に活かした、一歩先ゆく走りはやはりルノーならではだ。
制限速度が130km/hと高いのがフランスの高速道路。ルノーがF1テクノロジーで培ってきた技術を採用することで、高速道路での追越加速など従来のハイブリッドが苦手としていた領域でもストレスのない走りを実現。
シーンに合わせてエコやスポーツなど、走りのモードをモニターから選ぶことができる。自分の好みに合わせてカスタマイズも可能だ。
[ポイント 3] 床上も床下も収納たっぷり! 長期休暇が待ち遠しくなるラゲッジルーム
スタイル重視のクーペスタイルとなると、気になるのはラゲッジの収納力。しかしアルカナに限っていえば心配は無用だ。奥行きがあるし、床下収納も用意されているので、見た目からは想像できないほど、たくさんの荷物を積むことができる。
写真は実際に大ぶりのケースなどを積んでみたところだが、まだ余裕はある。リヤシートをたためばさらに長尺モノを積むことも可能だ。日常的な買い物から旅行まで広くカバーするのはもちろん、今流行りのキャンプも様々な道具を積んで、仲間と楽しく出かけるということも難なくこなせる実力の持ち主である。
[ポイント 4]座って、運転して驚く! 長い時間リラックスタイムが続く快適な車内空間
見た目や走り同様に重要なのがインテリアの質で、各部のデザインや素材のよさなどが重要な要素となる。エクステリア同様、実際には個人の好みも加わるだけにこれが難しい。その点、アルカナはフランスらしいセンスのよさが光るし、乗る者を包み込んでくれる落ち着いた雰囲気作りもうまい。常に視界に入ってくるインパネは抑揚の強いものだが、一歩間違うと安っぽさが出てしまいがちなところを、破綻なくうまくまとめ上げている。
さらにアルカナで注目したいのが運転のしやすさだ。サイズ感はちょうどよく、運転中に重要な前方視界も開けていて、開放感に溢れる。日本人にもマッチしたサイズだけに、無理なく肩の力を抜いて運転できるのはうれしい。
今どきの実用性という点では欠かせないのがUSBのポート。アルカナの場合、前・後席にそれぞれふたつ、合計4つ用意されているのでとても安心だ。また、オーディオはステアリングに付くスイッチで操作できたり、7インチ マルチメディアEASY LINKのモニターはスマホとのミラーリングも可能で、使い慣れたスマホの機能を車内でも使うことができる。
フランス車といえばシートの絶妙な座り心地が伝統で、アルカナも例外ではない。ふんわりかつしっかりと体を包み込んでくれる。レザーとスエード調のコンビで風合いもいいし、ステッチなども実に効果的だ。また、ロングホイールベースを活かした室内の広さにも驚くばかりだ。
[ポイント 5] 先進の安全技術で運転中も駐車時もしっかりサポート
安全技術は最新のクルマでは最優先となる性能のひとつだ。どんなにデザインが優れていても、そして走りがよくても、安全にドライブできなくては意味がない。アルカナは最新の「ルノー イージー ドライブ」を採用することで、死角内の他車を警告してくれたり、衝突回避やレーンキープ、標識認識など、全方位的に安全性を高いレベルで確保するだけでなく、高速走行時の疲労軽減などをアシストしてくれる。また、衝突安全性を評価するユーロNCAPでは最高の5スターを獲得するなど、安心感は十分だ。
駐車時に上から見下ろしたような映像を映し出す360°カメラや縦列駐車に対応したイージーパーキングアシスト。バック時に左右から接近するクルマを警告するリアクロストラフィックアラートなど、装備も充実。日本車からの乗り換えでも不満はまったくない。
ちょっと他人とは違ったクルマが欲しい、という人にはフランス車はおすすめ。なかでも今回紹介したアルカナは実用の国フランス生まれだけに使い勝手は抜群! デザインも角が立ったところもなく、センスよくてさりげなく個性をアピールする。でしゃばったところがなくて、肩肘張らずに自然に付き合えるキャラクターの持ち主だ。日本人にも馴染み深いフルハイブリッドで、燃費もいいなど、どこを取ってもレベルが高くて不満なし。初めての輸入車、そしてフランス車という方にも間違いなくおすすめの一台だ。
ルノー アルカナ
¥4,290,000(税込)
[主要諸元]ハンドル:右 全長×全幅×全高(mm):4,570×1,820×1,580 エンジンタイプ:自然吸気 直列4気筒DOHC16バルブ 総排気量:1.597L 最高出力(ECE):69kW(94ps*参考値)/5,600rpm 最大トルク(ECE):148N・m(15.1kgm)/3,600rpm トランスミッション:電子制御ドッグクラッチマルチモードAT メインモーター:交流同期電動機【最高出力(ECE):36kW(49ps)/1,677-6,000rpm 最大トルク(ECE):205N・m(20.9kgm)/200-1,677rpm】 サブモーター:交流同期電動機【最高出力(ECE):15kW(20ps)/2,865-10,000rpm 最大トルク(ECE):50N・m(5.1kgm)/200-2,865rpm 】電力用主電池:リチウムイオン電池 使用燃料:無鉛プレミアムガソリン 燃料消費率(WLTCモード):22.8km/L
ルノー コール
0120-676-365
https://www.renault.jp/
取材・文/近藤暁史 撮影/佐藤亮太
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この記事を書いた人
ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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