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革のことを知れば、レザーアイテムにもっと愛着がわいてくる!

ライター/藤原雅士(ライトアウェイ)
皆さんもご存知の通り、カバン、シューズ、財布など
『MonoMax』本誌の定番カテゴリーであるこれらには、革を使用しているアイテムがとても多いです。
でも、実際に革が作られている現場って意外と知られていません。
革は製品になるまで、非常にたくさんの人の手が掛かっている素材なのです。

例えば牛革の場合、その元となる原皮のほとんどが北米やヨーロッパからの輸入に頼っています。
希に地生と呼ばれる国産牛の原皮も使用されますが、こちらは圧倒的な少数派。
ちなみに日本国内で唯一まかなえるのが豚革(ピッグスキン)と言われています。
輸入された原皮は保存のために塩漬けされています。
まずはそれらを落とすことから作業はスタート。
その後、フレッシングや脱毛などの複数の作業を経て、鞣し(なめし)の作業へと移ります。
鞣しは皮から革へと移行させるためのハイライトと言える作業。
なぜ皮に対して鞣しを行うかというと、腐ってしまったり、変質させないようするためで
製品として加工できるようにするためです。
実はこの鞣しの歴史は非常に古く、
古代の狩猟民族が何らかの方法ですでにその手法を確立していたと言われています。

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写真:ピット槽(タンニン槽)。時間を掛け、じっくりとタンニンを浸透させる。

今、人気を集めているヌメ革の場合
鞣しの作業は主にドラム(タイコ)か、ピット槽(タンニン槽)を用います。
ドラムは効率的で、ピット槽は時間が掛かるのが一般的。
ピット槽で鞣した方が繊維を壊さず、タンニンも均一に入りやすいので
クォリティが高いと言われています。
ただ、ドラムで鞣したものでもクォリティの高いものはあります。
要は原皮の状態を見極めた、鞣し剤(タンニンなど)の調整、
ph(ペーハー)値および、温度(水温)管理などがキモ。
これは長年の経験を持つ職人が必要不可欠です。

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写真:多くの人の手によって革は完成する。写真は「焼き摺り」を行っているところ。

鞣しが終わっても水絞り、染色・加脂、乾燥など作業は続きます。
一般的なタンニン鞣しの革の場合でおおまかな工程は約20!
もちろん、それぞれに人の手が掛かっています。
銀面(表面)に型押しなどの加工を施す場合はさらに工程は増えます。
しかし、これでは皮が革になっただけにすぎません。
この後、製品になるまで裁断や縫製、仕上げなど、複数の工程を経ることとなります。

そう考えると、革製品はとても手間が掛かっていることが分かります。
自分の持ち物に革製品があれば、このことを考えてみてください。
きっともっと愛着がわき、大切にしようと思うはずです。

 

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