1969年7月21日、それは人類が初めて月面に降り立った日。オメガのプロフェッショナルラインの一つであるスピードマスターは、その日を境にムーンウオッチと呼ばれはじめました。スピードスター プロフェッショナルが、NASAの宇宙飛行士の標準装備であり、月で時を刻んだ世界で初めてのウオッチだからです。
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それから約50年が過ぎた今日、欧州・ロシア、中国、UAE、アメリカ、日本などの国々が競って火星探査に乗り出しています。2021年2月19日、無事火星に着陸したNASAの無人探査機、パーシビアランス。そこから送信される火星地表の映像に心が躍った人も多いのではないでしょうか。
今回紹介する近日発売予定の「スピードマスター X-33 マーズタイマー」は、タイムゾーンに火星を組み込んだ、ロマン溢れるウォッチになっています。
火星の大地をイメージカラーに
SPEEDMASTER X‑33 マーズタイマー ¥880,000(税込)
錆びに覆われた地表を持つ火星。マーズタイマーのベゼルは、地球からは赤く見える火星の大地をシュウ酸アルマイト処理が施されたアルミニウムで表現しました。ケース裏には、スピードマスターの刻印を飾るESA TESTED AND QUALIFIEDの文字。欧州宇宙機関(ESA)とのパートナーシップが明記されています。
ムーブメントはクォーツ、オメガ キャリバー5622。パーペチュアルカレンダー、3気圧防水、アラーム等、従来の「スピードマスター スカイウォーカー X‑33」が持つ全ての機能を搭載しています。
ESAの特許をもとに開発した調整火星時間
文字盤左上部の位置に表示されたMTCの文字。これは調整火星時間をデジタル表示していることを示しています。火星の自転は約24時間39分。公転は約668.5日。これをESAの特許をもとに調整した時間で表示しました。
リューズと上下選択ボタンで、MTC(調整火星時間)とUTC(協定世界時)を切り替えることができます。
火星モードのときは10時の位置に火星のシンボルマークが、地球モードのときは8時の位置に地球のシンボルマークが表示されます。
写真の「414」は、年間のソルを表しています(ソルは火星での1日を表し、地球の時間にすると24 時間 39 分 35.244 秒)。火星が太陽を一周する日数を1~699で表示します。「22:34:45」は、現在の火星時間を表しています。
そのほか、モードを選択すると火星太陽経度を0~360°で表示したり、火星に着陸したESAの探査機がミッションから経過したソル日数の表示も可能(※ただしデータが提供されている場合に限る)。
バンドはチタン製ブレスレットから、付属のNATOストラップに付け替えることも可能。
バンド付け替え用ツールがセットされた特製ウォッチロールも付属。内側は火星のヘベス谷をイメージしたライニングが施されています。
ハリケーンで延期になっていたNASAのアルテミス計画も、いよいよ本格的に実施される予定。2024年にはJAXAの火星衛星サンプルリターンミッションが、そして現在パーシビアランスが採取している火星サンプルは2033年の地球帰還を目指しています。未知の領域に向かって飛び立とうとしている人類の挑戦は、画面を見ているだけでもワクワクします。
スピードマスター X-33 マーズタイマーは、肉眼では見ることのできない遠い宇宙に想いを馳せ、火星の様子を想像することができる唯一のウォッチです。いつの日か人類が火星に降り立つ日がきたら、マーズウォークの前身モデルなんて呼ばれるウォッチになるかもしれませんね。
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この記事を書いた人
ライター横山博之
カバン、時計、ファッションなど男性のライフスタイルを彩るモノを領域とするライター。デザイナーや職人などモノづくりに関わるキーパーソンへのインタビュー経験も豊富。時代の先端を行く技術やカルチャーにも目を向ける。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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