幅広い展開を着せた「KATANA」シリーズ
アップハンドルを採用した「GSX750S」(上写真)は、当時「耕耘機スタイル」と揶揄されたものだが、背筋が伸びたポジションは姿勢が明らかに楽であり、ツーリングの疲労度も違ってくる。ウインドシールドのないカウルは、より風を感じることができるとも表現できる。
1,100ccと750ccでは排気量が違うので性質はまったく異なってくるが、スタイル上のことは、言ってみれば好みの問題。日本刀をモチーフとした斬新な外装デザインは揺るぎない人気。
高出力・低燃費となる高性能なエンジンを搭載した「GSX750S」は、多くのファンを獲得。その後、94年には日本国内でもカウル、セパハンを装着した「GSX1100S KATANA」(上写真)が発売開始。また「KATANA」シリーズは650cc、400cc、250ccと幅広く展開し、多くのユーザーから愛されるバイクとなった。
そんな背景から「GSX1100S KATANA」と「GSX750S」が日本自動車殿堂の「歴史遺産車」に選定。2008年の「スズライト」、2020年の初代「ジムニー」に続き、スズキから3種類目の「歴史遺産車」登録となる「KATANA」。前後輪ディスクブレーキ、減衰力アジャスタブル方式のリヤサスペンションなどを採用して本格的なロードスポーツモデルとしての道を切り拓いた事実は、日本自動車殿堂登録により永く伝承されることだろう。
「GSX1100S KATANA」スペック
GSX1100S KATANA(国内仕様モデル)
全長×全幅×全高 2,260×715×1,205mm
シート高 775mm
定員乗車 2人
乾燥重量 232kg
エンジン 空冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
総排気量 1075cc
最高出力 95PS/8,500rpm
最大トルク 8.6kgf•m/4,0000rpm
1994年当時小売価格 ¥899,000
お問い合わせ先
スズキ お客様相談室
TEL 0120-402-253
文/坂東 漠 画像提供/スズキ
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この記事を書いた人
パーツデザイナー坂東 漠
スタンドがないと倒れる。ライダーの支えがないと自立できない。ライダーがいてもときにコケるといった2輪車の特性に魅了され、自転車、e-Bike、モーターサイクルの部品を開発。多くの人は気づかないが、それがないと成り立たないといったパーツを手がけている。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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