今回はハンブルク市内でもハーフェン・シティという、元は倉庫街だった再開発地区に投宿したが、ジェームズ・ボンド モデルの4輪トロリーは今どきのインダストリアル風のインテリアのような“ヤングな”雰囲気に放り込んでみても、グレーイッシュなグリーンのボディは受けて返す余裕のような、適度に際立ったオーラを放つ。
ホテルの地下駐車場や、流行りのレンタルバイクのステーションのような状況でも、埋もれないけど悪目立ちしない、みたいなところだ。外に出てエルベフィルハーモニーのようなリノベ系統の現代建築、あるいは旧い街並みを背景にしても、気張り過ぎたスーツケースに見えないところが、ボンド・モデルのこなれたところだ。
そんな状況で、ジェームズ・ボンド モデルの4輪トロリーは、申し分ないスムーズさを味合わせてくれた。昔の2輪スーツケースが「よっこらしょ」と傾けてから、オーナーが引っ張ってあげなきゃいけない「マニュアル操作」を要したのに対し、4輪トロリーは我が身にまとったかのように、こちらの動きに合わせてくれる。
そもそもスーツケースで運ぶ荷の重さを、感じさせる場面が4輪トロリーなら少ないのは周知の事実だ。レザーのハンドルへの負担も当然少ない。
とまぁ、体側で転がしながらの安定感、向きや進行方向の自由度の高さについて、引いている間のラクとか快適さのレベルにはさして驚かないにしても、出発前に身の丈に余ると感じていた「ジェームズ・ボンド的2枚目感」が、意外なほどTPOを選ばないことに驚いた。「4輪であること」とか「自分がもつにはジェームス・ボンド コレクションは2枚目過ぎる」といった、出発前に引っかかっていたことが、なぜ引っかかっていたのか分からなくなるのだ。
この記事のタグ
モノマックスの記事をシェアする