近隣の小都市、シュターデにも足を伸ばしてみた。レンタカーで出てきたのは、さすがにアストンマーチンとはいかず、アウディQ2だったが、黒いボディとジェームス・ボンド モデルのグローブトロッターという組み合わせは、偶然ながら悪くなかった。
シュターデは小さいながらも元々はハンザ同盟の一翼を担った街で、エルベ川とヴェーザー川、つまりハンブルク経済圏とブレーメン経済圏の中間地点として、重きをなした川港や運河の街だ。
川港は一部は今も使われているが、近くの保有倉庫などは今や再開発されて、タワーでこそないがモダンな集合住宅になっている。やはり港湾インフラが代替されたり外へ移るなり、街が拡がって新しい住民や生活様式が入ってくると、再開発が進むのは洋の東西を問わず、同じなのだ。
旧川港から運河に沿って立ち並ぶ煉瓦造りの街並へ、歩いてみた。
建物と同じく煉瓦敷きの、細かな段差が連続するような歩道で、2輪モデルなら引く抵抗が増して苦労させられそうな場面でも、4輪トロリーは強い。いわゆるロバスト性が高い、というやつだ。
ちなみにハンブルクからシュターデに来る間のカントリーサイドも、街とは違った趣がある。この辺りは「アルテス・ラント」と呼ばれるフラットな低地で、リンゴやプラムなどの果樹栽培が盛んな地域だ。木組みの枠を煉瓦で埋め込んだ壁に、大きな葺き屋根を被せた、正面から見たらキレイに二等辺三角形の家が、村ごとに並んでいる。ひとたび強い風が吹き寄せたら遮るもののないこの地域で、雨風に強いシンプルなカタチといえる。
同じパターン、つまりモジュールを積み上げて整然としたものを建てる・作ることは、ハンブルクの街にも共通するところだが、こちらはカントリー風情のそれ、なのだ。
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