2022年もいよいよ大詰め。今年も数多くのヒット商品が生まれ私たちを楽しませてくれた。そこで、いろいろあった2022年はどんなものが流行り、その背景にはどのような消費者心理が隠されていたのか……。トレンドや消費動向に詳しいifs未来研究所の小原さん、中村さんのお二人をお迎えしてお話を聞いてみた。
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「野菜高騰にライフハックで対抗!」モヤシのシャキシャキが1週間続く!? 簡単すぎてウソみたいな裏技を実践してみた
教えてくれたのはこの2人
ifs未来研究所
(上から)中村ゆいさん、小原直花さん
伊藤忠ファッションシステムを母体とするifs未来研究所で、生活者の消費動向やトレンドをリサーチする小原さんと中村さん。生活と地続きにある「未来のライフスタイル」を創り出し、発信する。
安心と信頼を与える定番ブランドへ回帰!
──脱コロナが見えてきた2022年。消費者はどのようなモノを求めていたのでしょうか。
<小原> ifs未来研究所では生活者の暮らしの動向を調査し、消費の動向や方向性などを分析し、発信しています。10月に発表されたレポートでは、コロナ禍3年目となる2022年の消費は、「確かさ」と「気軽さ」を求める心理が働き、「安心」を叶える方向性にあったと思います。
<中村> 安心を叶えるという気持ちの裏側には、消費者の心理に不安感があったのだと思います。春ごろから感染対策が緩和され、コロナ禍に感じていた不自由さやネガティブな感情は収まってきたように思いますが、今度はコロナ前から潜在的に抱えていた、健康面、人間関係、経済面などの不安感が戻ってきたように思います。そういった気持ちを払しょくする意味でも、のあるモノが求められたのではないでしょうか。
──なるほど。2022年に求められた安心感のあるモノとはどういったものなのでしょうか。
<小原> 誰もが知っているモノ、間違いのないモノは、購入に際して迷わず選べる安心感のあるモノだと言えます。使ったこと、着たことがあるなど、これまでの経験から満足感が得られる、納得できることがわかっているモノも安心を感じられます。買いやすい、手に入れやすい気軽さもそうですね。
<中村> 魅力を感じるブランド調査では、これまでは「人と被らない」「個性がある」、または「ブランドは気にしない」といった回答が多かったのですが、直近では「信頼できる」「安心できる」「気軽に利用できる」などを挙げる人が増え、誰でも知っているようなメジャーブランドが上位になりました。確かさと気軽さが2022年の気分だったのだと思います。
──具体的にはどのようなブランドなのでしょうか。
<小原> 例えばですが、クルマならトヨタ、インテリアならイケアやニトリ、ファッションならユニクロ、時計ならオメガなどのように、誰もが知っている間違いのないブランドが多く挙げられていました。そのほか、東芝やシャープ、ポーター、ニューバランス、ブルックスブラザーズなどもまさに誰もが知っている安心ブランドですよね。
──人気のキャンプ・アウトドアでもブームに乗ってブランドがたくさん誕生しましたが、一通りギアが行き渡った今、昔からあって信頼できる本物ブランドに人気が戻ってきていると聞きました。信頼、安心、間違いない、誰もが知っているブランドこそ、今後改めて注目すべき存在になりそうですね。ほかに注目すべきジャンルはありますか?
<中村> 美容・健康関連に興味を持つ男性が増加していますね。ムダ毛処理だったり、頭皮のケアだったりと悩みがはっきりしていて、それを解消するための消費行動は旺盛です。男性の美容と健康は今後ますます注目すべきカテゴリーになるのではないでしょうか。
<小原> 美容・健康への意識は様々なジャンルにクロスオーバーしていて、快適に暮らせること、ストレスフリーであること、そして癒しがあることは、ファッションやインテリアなどにおいても、求められる要素になっています。例えば、肌触りがいい、香りがいい、リラックスできるなど、そういった気持ちになれるモノは、今後人気になっていくと思います。
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