EVになった“フィアット600”を試乗レポート、「優雅さと品格が際立つ」マツダの新フラッグシップSUV ほか【クルマの人気記事ランキングベスト3】(2024年10月版)
トヨタ自動車が新型プリウスを正式に発表した。昨年11月16日にワールドプレミアされたが、このときはあくまでも世界初公開というもので、国内での販売価格や詳しい装備ついてはアナウンスされず、今回、満を持しての国内発売となった。このところ、48Vマイルドハイブリッドや、日産のeパワー、ルノーのE-TECHハイブリッドなどさまざまなハイブリッドが登場するなど、幅広い車種にハイブリッド技術の搭載が進む一方で、電気自動車も続々登場して、ハイブリッドの普及を牽引してきたプリウスへの関心がやや薄れてきた感もあるだけに、新型がどんなクルマとなったのか興味深い。
狙いは乗った人を虜にする走りの実現
世界初の量産型ハイブリッドカー、圧倒的な低燃費性能を備えた新世代のエコカーとして人気を誇ったプリウスも、こと燃費データの数値ではコンパクトなヤリスやアクアの後塵を拝し、欧米のEV攻勢に立ち向かわなければならないという状況。元祖ハイブリッドとして「ハイブリッドの今後の可能性」をどう示すかに注目が集まっていた。
そこで新型プリウスが目指したのは、「プリウスならではの高い環境性能と、胸のすくような加速感やドライバーの思い通りに反応するレスポンスの良さで、乗った人を虜にする走りを実現」すること。
最新の第5世代ハイブリッドシステムを搭載し、2L 直4モデルのFF仕様でWLTCモード燃費28.6km/L(総合)を達成しながら、システム最高出力は144kW(196ps)と従来比1.6倍の力強さを実現。レスポンスの向上など、ドライバビリティの良さにもこだわり抜いた。またエモーショナルな走りを実現するためにTNGAプラットフォームにも磨きをかけた。
その一方で、プリウス本来のエコカーとしての魅力を感じさせる1.8Lユニットを搭載するモデルも2グレード設定。ただし、Xグレードは法人向け、Uグレードはサブスクリプションサービスの「KINTO Unlimited」専用となっているので、一般向けは2L 直4モデルということになる。ちなみに、1.8LモデルのFF仕様でWLTCモード燃費32.6km/L(総合)の低燃費を達成している。
身近な存在であるというところも魅力
しかし、実はこのKINTO Unlimited専用仕様の設定も、新型プリウスの大きな魅力のひとつとなりそうだ。
新型プリウスから始まる新しいサブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」は、さまざまな諸経費と新しいアフターケアシステムを月額利用料に含める形で「愛車として使う」という試み。保険や税金などの諸経費を月額利用料に含める従来のサービスに、「ソフトウェアとハードウェアの『進化』=アップグレード」と、「ユーザーの運転データを活用したクルマと人、双方の『見守り』=コネクティッド」という新しい2つの付加価値を加えることによってクルマの価値を維持して、その分を月額利用料の引き下げにあらかじめ充当することが可能になった。
この結果、プリウス Uグレードの月額利用料(税込)は月々1万6610円からと、ちょっとした 衝撃的な金額となっている。保険や税金などの諸経費などもこの中に含まれると考えると、お買い得感はかなり大きいと言えそうだ。
また法人向け仕様のXグレードの275万円(FF車)という車両価格も魅力的で、業務用としての使われ方も新型プリウスは注目されるところだ。
新型プリウスの走りの良さを予感させる前衛的なスタイリングはプレミアムさを感じさせるが、実は身近な存在であるというところも魅力なのだろう。なお、PHEV仕様は少し遅れて3月に正式発表される予定となっている。
新型プリウスラインナップ
X:¥2,750,000
X E-Four(4WD):¥2,970,000
U:¥2,990,000
U E-Four(4WD):¥3,210,000
G:¥3,200,000
Z:¥3,700,000
G E-Four(4WD):¥3,420,000
Z E-Four(4WD:¥3,920,000
「トヨタ プリウス Z FF仕様」スペック
全長×全幅×全高 4,600×1,780×1,430mm
ホイールベース 2,750mm
車両重量 1,580kg
エンジン 直列4気筒DOHC横置+モーター
総排気量 1,986cc
最高出力 112kW(152PS)/6,000rpm
最大トルク 188Nm(19.2kgf・m)/4,400-5,200rpm
フロントモーター最高出力:83kW(113PS)
フロントモーター最大トルク:206Nm
トランスミッション 電気式無段変速機
駆動方式 FF
メーカー希望小売価格 ¥3,700,000(税込)
写真/トヨタ自動車
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この記事を書いた人
ライター近藤暁史
男だてらにお堅く学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆、動画製作なども。新車、雑ネタを中心に、タイヤが付いているものならなんでも守備範囲。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。自身のYouTubeチャンネル「こんどう自動車部」では、洗車・自動車のメンテナンスなどを中心に、クルマに関わる裏技を紹介中!
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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