【乗ってみた】ほどよいサイズで操りやすいコンパクトなBMW、1シリーズが運転して楽しい理由とは?
日本車ではあまり聞きませんが、輸入車は往々にして「セグメント」なんて言葉で語られます。これはクルマのサイズを表す概念で、Aセグメントから、Bセグメント、Cセグメント……といった具合に、アルファベットが進むほど車格やボディサイズが大きくなっていくことを表します。単純に全長のみの比較だったり、時には、装備や価格なども勘案されるなど、国や時代によって分類方法が変わるため、一概には区分し切れないところもありますが、自動車雑誌などでよく使われる言葉です。
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いきなりマニアックな話をしてしまいましたが、今回試乗したのは、セグメント論で言うところの下から3番目のクラス、販売激戦区でもある「Cセグメント」に当てはまるモデルの、BMW1シリーズです。なぜCセグメントが激戦区かというと、同クラスには、“世界のスタンダード”と言われるフォルクスワーゲン・ゴルフが属しているから。世界中で人気のゴルフに対抗すべく、各メーカーが商品力の高いモデルをこのクラスに投入しているからです。
しかし、そのなかでもBMW1シリーズは、一風変わった存在です。それは、同クラスのライバルたちが FF(フロントエンジン・フロント駆動)という駆動方式を採用するなか、唯一FR(フロントエンジン・リア駆動)を採用しているからです。基本的に、ボディサイズの制限されるCセグメントにおいては、すこしでも室内スペースを広くとるためにFFが採用されがち。しかしBMWの考え方は違いました。
荷重がバランスよく前後に配分され、素直なステアリングフィールが得られるFR方式を採用したことで、ドライバーの運転感覚や、走行安定性を重視しました。室内スペースを多少犠牲にしながらも、クルマの本質的魅力である“運転の楽しさ”を追求したのです。BMWは「駆けぬける歓び」というブランドテーマを掲げていますが、実際に乗ってみると、その言葉に相応しい走りを味わえます。自分がステアリングを操作したとおりに素直に車体が動き、その操作感がドライバーにダイレクトに伝わってきます。そして直線でもコーナリングでも、まさに地面を駆けるように気持ちよく走ります。
ここまで読んで、「どーせ素人にはわからないっしょ!」「思いこみじゃね?」などとお思いの方もいるかもしれません(笑)。実は5月10日発売のMonoMax6月号では、クルマの運転がそれほど得意じゃない(!?)本誌編集長も、この1シリーズに乗ってその真相をレポートしていますので、よろしければご一読ください!
もちろん、同じCセグメントでFFでありながらも、走りの楽しさを味わえるクルマだって存在します。人によって運転感覚も異なることでしょう。とはいえ、もし1シリーズが気になるようであれば、まずは近所のディーラーへ足を運び、実際に試乗してみることをおすすめします。
TEXT/安藤修也(フォッケウルフ)
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