女性が抱える健康課題を技術や知識、サービスで解決することの総称とされるフェムテック・フェムケア。その男性版であるメンテックやオムテックという言葉も浸透してきており、いまやフェムテックは性別の垣根を超えたものになりつつある。男性向けフェムテックで最もポピュラーなカテゴリーのひとつが妊活。各社が男性妊活市場に参入し、今年2月にも新規参入する企業が登場した。収納ケースシリーズ「Fits(フィッツ)」で知られる総合日用品メーカー、天馬株式会社だ。
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天馬が発売した『MiteCare(ミテケア)』
MiteCare(以下ミテケア)は、病院にいかずとも、家庭で手軽に精子状態のチェックができる簡易的なツールおよびオンラインサービス。特徴は大きく2つ。①スマホに専用ルーペを取り付けることで、自身の精子状態を簡単に動画撮影できる。②撮影した動画ファイルを専用サイトからクラウド上にアップロードし、培養士に精子状態をチェックしてもらえる。培養士とは生殖技術の専門家であり、不妊治療にも関係する資格。
同梱物はこちら
同梱されているのは専用ルーペとスマホにルーペを固定するための両面シール、精液を採取するためのカップとスティック、精液量を測るための目盛り付き計量管。撮影した動画をアップロードするためのレポート申込用シリアルコード。
箱の内側に使い方と動画撮影のポイントが書かれており、簡単に使用できるのも嬉しい。
担当者に聞いた! フェムテック参入の理由
天馬でミテケアの開発を担当した、営業企画部部長の清水さんに話を聞いた。
――ミテケア開発のきっかけを教えてください。
清水 私は現在、新規事業を主な業務とする部署に所属しています。そこで、いろいろな新規事業の企画や立ち上げを行っていたのですが、そのひとつが社会課題を解決する商品の企画でした。そこにはフェムテックも含まれており、その流れで発売したのがミテケアになります。
――フェムテックにもいろいろなカテゴリーがありますが、精子チェックツールを発売しようと思った理由を教えてください。
清水 我々がアプローチしたいと考えていた社会課題のひとつに、少子化と不妊がありました。日本の少子化解消は重要な社会課題ととらえられており、不妊で悩まれている方は非常に多いです。そして、不妊の原因の半分は男性に起因するというデータもあります。それと並行して、社内で新規事業に使えそうな技術はないかと探していたのですが、そこで弊社の関係会社がとあるプラットフォームを持っていることがわかりました。その技術を使って、男性不妊にアプローチできる商品が作れるのではないかと考えたのがきっかけになります。
――精子チェックツールはすでに複数の企業から発売されていますが、他社製品とミテケアの違いはどこにありますか?
清水 生殖技術のプロである培養士に精子状態をチェックしてもらえるのが大きな違いです。ミテケアはご自分で撮影した精子の動画を専用クラウドにアップロードし、その動画を培養士がチェックして、レポートをメールでお送りするシステムです。レポートはWHOの基準を参照値としており、参考にしやすいと思います。
――専門家の目で見てもらえるのは安心感がありますね。
清水 はい。また、動画を3本までアップロードできるのも特徴です。アップロードが1回だけですと、たまたま精子の状態がよくないときに動画が撮影されてしまう可能性があります。3本アップロードすることで、その日の状況に左右されず総合的なチェックが受けられると考えます。
――人がチェックするという意味で、プライバシーはどうなっていますか?
清水 動画のアップロードは匿名で行うので、培養士に個人情報が知られることはありません。培養士のレポートはメールで届きますが、培養士がメールアドレスを知ることもありません。
――ミテケアはどこで購入できますか?
清水 現在は弊社の公式ECサイトとAmazonのみですが、将来的にはドラッグストアに置いていただくなど、もっと手に取りやすくしたいと考えています。男性は仕事が忙しかったり通院に抵抗があったりするなどの理由で、なかなか妊活に積極的になれない方もいると思います。ミテケアがそんな方に寄り添い、支えになれれば嬉しいです。また、女性にとっても、パートナーに「クリニックで精子の検査をしてきて」と言うのは、勇気がいると思います。そんなとき、ミテケアを購入してパートナーに渡せば、より手軽に妊活のスタートが切れるのではないでしょうか。
――ミテケアなら、クリニックに通うより、ずっとハードルが下がりますね。
清水 そうですね。ただ、ミテケアは精液状態の簡易チェックツールで、医学的な診断を行うものではありません。必要に応じて、医療機関を受診することをおすすめします。
――一度チェックを受けた後なら、クリニックに通う心理的ハードルは下がりやすくなるかもしれませんね。最後に、これからもフェムテック関連の商品を作る予定はありますか?
清水 今のところ具体的な予定はありませんが、今後は女性向けの商品も企画していきたいと考えています。
MiteCare(ミテケア)
発売日:2023年2月1日
参考価格:¥5,980(税込)
https://mitecare.net/
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この記事を書いた人
ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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