【乗ってみた】アバルト124スパイダーは“コワモテ”系の見た目でも日本で運転しやすい良血統なオープンモデル
今月(2016年11月)の頭に、アバルト124スパイダーが今年のカー・オブ・ザ・イヤー「10ベスト」に入ったと発表がありました。
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イタリアのフィアット社に属する一ブランドである「アバルト」は、主にフィアット車をスポーティにチューニングしたモデルを販売しています。しかし、この124スパイダーに関しては、ベースモデルがフィアット車でなく、なんと日本のマツダ車! マツダの2シーターオープンといえば……そう、ロードスターの兄弟車なんです!
昨年登場した4代目となるロードスターは、ひと言でいうなら「シュッとした」顔ですが、124は見てのとおりワイルド。コワモテ系でひと癖もふた癖もある顔(フロントデザイン)をしています。もちろん顔だけじゃなく、ボディラインのふくよかさやリアの造形なども、ロードスターとは味付けを変えています。どっちのほうがカッコいいと思うかは個人の好みによるところですが、街中を走って目立つのはやはり124のほうじゃないでしょうか。
また珍しいことに、この124は「アバルト」ブランドのイタリア車にも関わらず、マツダの広島工場で生産されています(エンジンはイタリアで製造)。本来、左ハンドルベースの輸入車というのはウインカーの位置が国産車と逆の左についているものですが、この124スパイダーではウインカーも右。つまり国産車と同じなんですね。そのため、日本で運転しやすいというメリットもあります。
一方、124とロードスターは、乗ってみてはじめてわかる違いもあります。その違いが特に感じられるのがエンジンです。ロードスター(の日本仕様)は、ノンターボの1.5リッターエンジンを搭載していて、パワーは控えめですが素直な走り味。一方、124はパワフルな1.4リッターのターボエンジンを搭載しています。その差は最大トルクで100Nmもあり、走りのキャラクターはまったく異なります。コーナリング走行が得意なロードスターに対して、124は直線番長的、いい意味で“古き良きアメ車”に乗っているような感覚を味わえます。
ちなみにこの「124」というネーミングですが、実は過去に存在したフィアットの名車「124」と同じもの。つまり旧車のリバイバルモデルでもあるのです。その歴史を知るイタ車通はもちろん、人と違ったオープンカーに乗りたいと思っている人にオススメなのが、このアバルトの「サソリ」マークがついた124スパイダーです。
TEXT/安藤修也(フォッケウルフ)
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