「注目必至の腕時計」ジュネーブ帰りのプロが語る!世界最大の時計展から見えてきた“最新トレンド”とは?【2024年最新腕時計スクープ】
執筆者: ライター/岡藤充泰
ジュネーブで開催された世界最大の時計展が終わり、人気ブランドの新作モデルが出そろった。コアな時計好きはもちろん、今夏のボーナスで時計を買いたいと思っていた人も必見の、2024年腕時計最新情報をお届け!
今回は、ジュネーブ帰りの時計ジャーナリストに、現在、そしてこれからの時計業界、気になるブランドや、今狙いたいおすすめのモデルまでお話しいただいた。そこから見えてきた「5つのキーワード」を元に、注目必至の6モデルを紹介する!
CONTENTS
「ボーナスで手に入れたい一生モノ」2024年のウォッチシーンを象徴する“珠玉の5本”は?時計ジャーナリストがトレンドワードとともに徹底解説
【キーワード ①】「ウォッチズ アンド ワンダーズ ジュネーブ」で感じた今後の動向
時計ジャーナリスト 渋谷ヤスヒトさん
毎年ジュネーブ取材を行うほか、精力的に世界中を飛び回る時計ジャーナリスト。取材力を武器に、時計業界に鋭い目を向ける。
「コスパに優れた、スタンダードなモデルがトレンドになりそうです。」
ウォッチディレクター 篠田哲生さん
時計学校に通い、時計の構造や分解、組み立ての技術なども習得した理論派。著書『教養としての腕時計選び』も好評。
「ラグスポ人気が一息ついて、ドレスウォッチに揺り戻しそうです。」
──「ウォッチズ アンド ワンダーズ ジュネーブ」の取材を終えて、現地の様子や盛り上がり、今後の時計業界のトレンドなど何か感じられましたか。
渋谷 時計ブランドが伝統と得意分野を生かした、「ハズレ」のない魅力的な製品を展示していました。高級時計ブームが一段落しつつあり、今後はコストパフォーマンスの高い、地味ですが堅実なモデルが増えていくと思います。また、落ち着いたデザイン、つまりクラシックでシンプルなデザインのモデル、たとえば2針や3針のドレスウォッチ、スタンダードウォッチなどがトレンドになるのではないでしょうか。
篠田 スイス時計業界は、昨年中ごろから輸出量が減少中です。中国の景気減退の影響や、スイスフラン高の影響が大きく、今後の見通しも、あまり明るくはないでしょう。しかし、イベント自体は、大いに盛り上がっていました。SIHHに比べると参加ブランド数も増え、大手以外の小規模ブランドも参加しているので、さまざまな哲学を持った時計たちが一堂に会する機会になりました。傾向としては、昨年までの「ラグスポ」人気は一息ついた印象です。もちろん新作はありましたが、バリエーションの追加が主でした。逆に目立ったのは、ドレスウォッチ。スポーツからドレスへという揺り戻しでしょうね。
──その中で特に気になったブランドやモデルはありましたか?
渋谷 カルティエのプリヴェ「トーチュ」モノプッシャークロノグラフです。カルティエの歴史的傑作のひとつが、何と新型ムーブメントで登場。まさかムーブメントから凝ったモデルを作ってくれるとは思いませんでした。実物もめちゃくちゃ素晴らしい出来でした。
篠田 私もカルティエのプリヴェ「トーチュ」ですね。もともと「トーチュ」は好きなデザインで、アンティークも気になっていました。限定なのが残念ですが、希少性も含めて気になりますね。昨年、すい星のように現れたレイモンド・ウェイルのミレジムも、GPHGの受賞によって一気に気になる存在になりました。新作のムーンフェイズも古典的な味わいがあって人気を集めそう。
──時計を購入するときに気に留めておいたほうがいい技術や素材はありますか?
渋谷 引き続きになりますが、機械式ムーブメントの心臓部、脱進調速機へのシリコン素材の採用ですね。
篠田 軽くてつけ心地がいい時計を求めるユーザーが増えているので、チタン素材は今後も増えていくと思います。
──ちなみに、今年は国内3ブランドの記念年となりました。世界的な日本ブランドの評価はいかがでしょうか?
渋谷 特にグランドセイコーは高級時計として確固たる地位を確立したといえます。また、シチズンもカシオも、オリエント時計も、みなさんが考えている以上にしっかりとしたポジジョンを確保していますよ。
篠田 私も同感で、グランドセイコーの躍進には目を見張るばかりです。WWGの参加によってグローバルブランドとしての立ち位置を確立しましたね。日本ブランドではクレドールにも注目していて、日本のドレスウォッチのすごさを世界に伝えてほしいと思います。
──最後に個人的なおすすめ時計を教えてください。
渋谷 20万円以下でカジュアルに使えるモデルなら、セイコーのプロスペックス「SBER009」です。画期的機能を受け継いだ、隠れた名作ですよ。
篠田 WWGに新作が登場していましたが、チューダーのブラックベイは好きですね。初出展となったノルケインは日本の販路が広がっており、これから気になる存在だと思います。
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この記事を書いた人
ライター岡藤充泰
ファッション、カバン、革小物、クルマ、家電などあらゆるジャンルに精通する、この道30年以上のベテランモノライター。プライベートではキャンプと車をこよなく愛する。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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