「このツノは刺さる!」 シチズンの70年代復刻デザイン時計“ビームス別注ツノクロノ”が超個性的すぎた/No.1モノ雑誌編集長のお墨付き『コレ買いです』Vol.76
執筆者: 編集長/奥家慎二
あまりに独創的なツノクロノ×多角形ケース!
なんといっても、魅力はその造形にあります。
ケースの頭に生えたツノ、これほどインパクトのあるフォルムはなかなかないのではないでしょうか。プッシュボタンもいい感じに傾斜して見えるから、よりいっそうツノっぽいんですよね。多角形ケースが新たに採用されたことでも、この特異さが強調されているように思えます。
現代のクロノグラフといえばケースの右側にリューズやプッシュボタンがまとまっているのが一般的で、こんなふうに12時位置にあるのは奇抜に思えるかもしれません。しかし、そもそも時計機能のないクロノグラフ=ストップウォッチが人類史に登場した当初はボタンがこの位置にあって普通でしたし、懐中時計を腕に巻けるよう“魔改造”していた19世紀後半にも、同じように12時位置にリューズのあるモデルが存在していたんですよね。
けっこう操作しやすい位置で、本気で時間を計測しようとするときに役立ちます。
ケースフォルムもたまりません。ラウンドタイプもよかったんですけど、新作は多角形タイプになったことでツノクロノとしての存在感がさらに高まりました。70年代特有のレトロフューチャー感や、いわゆる“ラグスポ”的な雰囲気も。スパッとシャープに切り立った造形も見事で、さすがシチズンです。
ビームス別注のポイントのひとつは、フェイスデザインにあります。
横目に配置された3つのインダイヤルをご覧ください。3時位置の秒針は粒子状、6時位置の12時間計は格子状、9時位置の60分積算計は円状と、それぞれに異なる意匠が施されているんです。細部まで手を抜かないこうしたこだわりは、“所有する喜び”を与えてくれる要素ですよね。
また、文字盤中央と外周部で2トーンのコントラストにした配色やバーインデックスを縁取ったのも別注だけのオリジナルで、70年代の雰囲気をさらに高めています。
さらには、一連ブレスレットからメッシュブレスへ切り替えたのもビームス別注ならではの点。軽快さや洒落た印象がさらに高まり、ビームスらしい手腕を感じます。
この記事のタグ
この記事を書いた人
編集長奥家慎二
2010年よりMonoMax編集部に所属し、2020年より現職。腕時計を中心に、ファッション、クルマ、アウトドア、家電、スポーツなどあらゆるジャンルを担当。モノの背景にあるストーリーや作り手のこだわりをこよなく愛する。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)には便利グッズ評論家として出演。『ZIP!』『午前0時の森』(ともに日本テレビ)にはモノのプロとして出演するなど、テレビ、雑誌、WEBなどメディアに多数出演中。
Twitter:@MonoMaxWEB
Instagram:@MonoMax_tkj
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
モノマックスの記事をシェアする