ツボ③先回り・察知──高機能より多機能な商品
幅広く使える機能がユーザーニーズにマッチ
垂水 3つ目は「先回り・察知」。万が一を見越した丁寧な梱包や関連商品が近くにあるなど、様々な配慮が行き届いているというニュアンスです。なかでも2024年は“先を見越した、様々な配慮”を持つ商品が目立ったように思います。具体的には、メーカー側がニーズを見つけて「通常の使い方に加えて、新しくこういった使い方もできます」と提案する商品と言えるのではないでしょうか。
──湖池屋の「ランチパイ」がそれですね。ランチにもおやつにも食べられる新提案をしています。ちなみに、高機能な商品とは違いますか?
垂水 ある程度求められていると思いますが、そこまでの機能は必要とされていないかなと。それよりも、例えば今まで2つ必要だったものが1つで済むといった、多機能さを備えた商品が受けている印象を持っています。
湖池屋の「ランチパイ」
──イノベーターの「フロントオープン型のスーツケース」がまさにそうです。PCバッグとスーツケースが1つになったようなデザインです。
垂水 そういった商品は簡単・便利ですし、なるべく生活をシンプルにしたいという最近の志向とも合致しているのではないでしょうか。
イノベーターの「フロントオープン型のスーツケース」
──メーカーの提案がユーザーに刺さるものだったことも勝因ですか?
垂水 それはもちろんです。
──その意味では「キリンビール 晴れ風」も当てはまりそうです。購入金額の一部が自動的に寄付される施策が若い世代に支持されたんです。
取材・文/金山靖
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ライター金山 靖
文房具、家電、インテリア、雑貨などライフスタイル系グッズに精通。商品の企画開発担当者をはじめ、タレントや文化人などへのインタビュー経験も豊富。カップ麺やお菓子などグルメ全般にも造詣が深い。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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