【乗ってみた】超低燃費軽として誕生した“究極の節約グルマ”ミライースが身につけたプラスアルファの魅力って?
2011年に登場した初代ミライースといえば、ダイハツのスタンダード軽モデル・ミラをベースとし、燃費性能に特化して開発された“究極の節約グルマ”。この度、フルモデルチェンジを果たしたということで、早速その2代目モデルに試乗させてもらいました。
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ところが、まずスペックを見て驚きました。カタログの燃費数値がライバルであるスズキ・アルトのリッター37キロを上回っていないじゃないですか! かつて初代ミライース(リッター32.0キロ)が登場した時は、その数ヶ月後にアルトECOが同数値で登場し、その後もマイナーチェンジのたびに抜きつ抜かれつしあったものです。やり方はいろいろあるにせよ、軽自動車界ではダイハツとスズキによる低燃費の“仁義なき戦い”が生じていたのです。
今回ミライースは、アルトからしたら後出しジャンケンなわけで、現在の軽自動車最高燃費であるアルト(リッター37.0キロ)をガツンと上回ってくるかと思いきや、リッター35.2キロという数値で登場(とはいえ、ムーヴのリッター31.0キロは上回っており、ダイハツ内では最強です)。アルトだけでなく、同じスズキのアルトラパン(リッター35.6キロ)の数値にも到達しておりません。
では、もうミライースは軽自動車としての競争力を失ってしまったのかというと、まったくそんなことありませんでした! ミライースが依然としてグレイトである理由。それは「安全性能の高さ」という新しい魅力を手に入れたからです。今回の新型では、世界最小のステレオカメラを用いた衝突回避支援システム「スマートアシストⅢ」を廉価グレードをのぞくほとんどのグレードに搭載。これによって、歩行者にも対応する自動ブレーキ(衝突回避支援ブレーキ)を実現しています。
デザインに関しては、従来の優しい雰囲気からエッジの効いた“カッコかわいい”スタイルへと路線変更。インテリアもデジタルメーターを採用しているなど、質感がかなり上がっていて、軽自動車にありがちなチープさが感じられません。運転してみても、発進時の出足も鋭く、街乗りではいたって不満なく走りますので、軽自動車のベンチマークといえる出来を十分キープできているんじゃないでしょうか。
そしてなんといっても、これらが低価格で手に入るのが嬉しい。「84.2万円から」という入り口価格で、軽自動車最安レベルを維持しています。もちろん低燃費性能だって依然として軽トップクラスですから、日頃の維持費も安く済んでとてもお財布に優しいクルマになっています。初代モデルの登場時は「第三のエコカー」として注目を浴びたミライース。あれから6年が経ち、クルマといえば猫も杓子もエコカーとなった現代に登場した新型は、「エコカー・プラスアルファ」という魅力を持って再登場しました。
TEXT/安藤修也(フォッケウルフ)
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