「まだ誰も知らない…島根西部を体験」絶景を望める“稲成神社”、エンタメの極み“石見神楽”…リアルなディープ・ジャパンを巡る旅【歴史と伝統編】
執筆者: ライター・エディター/鈴木恵理子
くらしに寄り添う素朴で力強い焼き物。登り窯を守る『石州 嶋田窯』
18世紀の中頃から江津市を中心とした石見地方で焼かれている「石見焼」。この焼き物の特徴は、圧倒的な耐久性と耐水性。その特性を活かし、飯銅(はんどう)と呼ばれる水甕(みずがめ)の一大産地として有名に。大型の陶器が多く作られてきた。
そんな石見焼を今も伝統的な製法で作り続けているのが、昭和10年創業の老舗窯元『石州 嶋田窯』。石見焼の窯元の中で、今も登り窯を使い続けている唯一の存在だ。嶋田窯の焼き物は、松の薪を燃やして約1300度まで温度を上げ、じっくり長時間焼き締めることで完成する。これによって、硬質で味わい深い器が生まれるのだとか。
また、石見地方の土は耐火性が高いのも特徴。しかし、「粘土の採れる土地はあるけど、掘る業者がいなくなっちゃってね」と語るのは、三代目の嶋田孝之さん。かつては瓦屋が多く、専門の職人もいたが、時代とともに減少。それでも、家族みんなで窯を守り続け、今では四代目の息子さん、お孫さんの五代目まで加わり、こだわりの焼き物を作り続けている。
現在は食器類がメインだが、最近では東京のブランドとコラボし、まるでアートピースのようなサイドテーブルなどのインテリア作品も手がけているという。「こんな陶器のインテリアがある暮らしができたら最高だなと」と、思わず妄想が膨らんでしまうほどの素敵さ。
“島根のライフスタイルブランド”として知られる「群言堂」でも、嶋田窯の器がセレクトされており、すでに手に取ったことがある人もいるかもしれない。また、店内にはどこが訳ありが分からない、お得な“わけあり品”も並んでいて、ついつい財布の紐がゆるみまくる(笑)。せっかくなら旅の思い出にひとつ……なんて思っていたのに、気づけば「食器全部買い替えたくなるほど」の買い物欲にまみれて、5点購入。
丈夫で、使い込むほどに味が出る石見焼。毎日の暮らしに馴染む器を探しに、ぜひ一度訪れてみてほしい窯元だ。
DATA
石州 嶋田窯
島根県江津市後地町1315
TEL:0855-55-1337
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この記事を書いた人
ライター・エディター鈴木恵理子
11年間の編集プロダクション勤務を経て、2011年よりフリーランスに。雑誌やムック、ウェブなどで、ヘアやビューティページを中心に活動中。暮らしに役立つ実用系やメンズのビューティ記事の経験も豊富。好物は古物や古道具。
Website:https://monomax.jp/
お問い合わせ:monomaxofficial@takarajimasha.co.jp
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