家電ベンチャー、バルミューダから、また、新しい家電が登場した。その名も「BALMUDA The Range(バルミューダ ザ・レンジ)」だ。バルミューダの家電といえば、これまでにはないアイデアとデザインで、多くの注目を集めてきた。今回の「BALMUDA The Range」もそんなバルミューダらしさあふれる製品となった。
デザインのベースにあるのは寺尾社長自身が欲しいと思うものだという。というのも開発の最中に社長の自宅で使っていたオープンレンジの調子が悪くなった。家族からは新しいレンジを買ってくれと言われるが、量販店にはなぜか赤いオープンレンジばかりが並んでいる。それは寺尾社長宅のキッチンにはマッチしなかった。
そこで急ピッチで開発が進められたという。重視したのは多機能ではなくシンプルで、使いやすいこと。そしてキッチンに溶け込むデザインだ。
そうして生まれた「BALMUDA The Range」には、同社のこれまでのキッチン家電シリーズと同様のブラック、ホワイト(両モデルとも直販価格¥43,500)に加えて新たにメタリック(直販価格¥54,500)をラインナップした。2017年11月末以降発売予定だ。
庫内容量は18Lとコンパクトサイズ。電子レンジ機能としては「おまかせ 自動あたため」、「手動あたため」、「飲み物」、「冷凍ごはん」、そして「解凍」の5つを搭載。本体左側のレバーを回すことで切り替えて利用できる。また、電子レンジ機能だけでなくオーブン調理にも対応。100~250℃の加熱調理ができる。多機能ではなく、基本となる機能をしっかり抑えた製品という印象だ。
「市販のオーブンレンジはボタンが多すぎてわからない」と語る寺尾社長。だから「BALMUDA The Range」の操作は非常にシンプルだ。レバーで利用したいモードを選び、ダイヤルで選択。あとは「START/OK」ボタンを押すだけ。これらに「CANCEL」ボタンを足した4つのボタン/スイッチ類だけで操作できる。
さらに、デザインがいいだけで終わらないのがバルミューダらしいところ。発表会で最も注目を集めていたのが調理時の音だ。電子レンジといえば「チーン」という音が定番だが、「BALMUDA The Range」ではなんとアコースティックギターとドラムの音色を採用。加熱中、そして終了時にはこれらのサウンドが楽しめるのだ。
ごはんやおかず、ホットミルクを温めるとき、キッチンからギターサウンドが流れる。それは新しい美味しさのリズムかも知れない。このアイデアには、寺尾社長のお子さんも大喜びだったそうだ。
18Lクラスのシンプルなオーブンレンジと考えると、割高感は否定できないが、上質なデザインとそれと連動するシンプルな使い勝手、そしてバルミューダならではのオーブンレンジの音を楽しくするという発想にはそれだけの価値があると感じさせてくれた。
機能重視ではなく、使った人の楽しさや、美味しいものが出てきそうなワクワク感が「BALMUDA The Range」には詰め込まれている。オーブンレンジはどうしても機能一辺倒で語られがちだが、「BALMUDA The Range」は所有欲を湧き起こしてくれる製品だ。
キッチン家電をミニマムにしたいニーズ、1~3人の少人数世帯、そしてデザインにはこだわりたいという人にはきっと心に刻まれる新しいオーブンレンジだ。
ライター/コヤマタカヒロ
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