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「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

かつてないタフネスを実現した腕時計のG-SHOCKと、小型ジェット機カテゴリーの出荷数3年連続世界一のHondaJetがコラボした「グラビティマスター GWR-B1000HJ-1AJR」。早くも、時計ファンと航空ファンの双方から高い評価の声が聞こえています。

「G-SHOCKの原点が待望の…!?」かつてない再現度!1983年に発売した初号機“DW-5000C”が40年余の時を経て堂々定番化

この傑作を生み出した立役者がG-SHOCKの開発陣と、HondaJetの研究開発・デザインを主導するホンダ エアクラフト カンパニーの藤野道格社長兼CEOその人。HondaJetのシルエットを模した異形インジケーターなど、今作には藤野社長が生み出したアイデアが随所に宿っているんです。

世界的企業のトップですから、なかなか難しいものと思っていましたが、藤野社長に取材を打診したところご快諾いただけました! コラボを承諾した理由や今作のポイント、さらには腕時計と飛行機のデザインにおける共通点までさまざまに質問。それら回答から「グラビティマスター GWR-B1000HJ-1AJR」の魅力や、先進のモノづくりに従事するトップランナーの考えの一部が見えてきます。

 

なお、G-SHOCK開発陣から聴いた開発秘話については以下の別記事にまとめてありますので、ぜひ合わせてお読みください。

参考:藤野社長の一声でHondaJetが飛んだ!? G-SHOCKグラビティマスター特別コラボの開発秘話を聞いてきた!

「とてもエキサイティングなプロジェクトだと感じました」

──G-SHOCKについてどのようなイメージをお持ちでしたか?

藤野「85年にマットレジスト機能が追加された5500型や、最初のメタル使用のMR-G、G-LIDEが印象に残っています。90年後半頃かと記憶していますが、米国カリフォルニア州のモハビで後にHondaJetの先進技術として採り入れた、層流翼に関するフライトテストをしていた頃、当時発売されたばかりのMR-Gを見た現地のアメリカ人パイロットたちが『ターミネーターウオッチ』なんてニックネームをつけていたことを覚えています。日本発のオリジナリティーのあるG-SHOCKというブランドが世界中で認知されていることは、とてもすごいことだと思います。ですから、カシオ様からG-SHOCKとHondaJetのコラボレーション企画のお話をいただいたときには、とてもエキサイティングなプロジェクトだと感じました」

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

──今回のコラボをお受けになられた決め手は何ですか?

藤野「G-SHOCKは高い耐衝撃性や防塵性などといった特殊な『機能』とともに『デザイン』という要素も取り入れ、それらを有機的に融合した大変ユニークな腕時計です。ある意味、ひとつひとつが作品のようでもあります。HondaJetも最先端の航空機技術や機能を極限まで高めていますが、同時にデザイン性にも高い評価をいただいています。私はそれを『機能美』という観点でとらえています。このように機能とデザインを高いレベルで融合させたHondaJetの持つ機能美を、G-SHOCKというキャンバスでも実現できればと思い、今回のコラボレーションプロジェクトとなりました。HondaJetもG-SHOCKも日本発で世界中に知られるブランドですし、特に空をテーマにしたグラビティマスターとのコラボレーションですから、素晴らしいデザインにしたいと思いました」

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

──ところで正確な時刻の把握やストップウオッチ機能といった機能を持つ腕時計は、機体開発や実際の操縦など航空機産業の各種シーンにおいて、どれほど役立てられているものなのでしょうか?

藤野「初めてアメリカに来て飛行試験などを行っていた頃は、まだ飛行試験機の計測機器が十分になかったこともあり、リアルタイムでストップウオッチを使って対地速度や各種の周期などを図ったりすることがよくありました。それに比べますと、現在はテレメーターやデータレコーダが非常に発達しているため、自身の時計(ストップウオッチ)を使うことは少なくなりました。しかし、それでも、データを簡易でも瞬時に確認したいときなど、手軽に、そして正確に時間を計測できる時計を身に着けていることはとても安心感があります。

また航空機の開発では様々な試験、たとえば強度試験や飛行試験、高温環境試験、極低温試験といった環境試験など厳しい条件下での試験等が行われるので、テストエンジニアはRugged(頑強な)な時計を身に着けています。そういう意味で、G-SHOCKは過酷な環境下でテストを行うテストエンジニアにとって頼もしい存在といえるでしょう。

もちろんHondaJetのパイロットたちにとって、あらゆる環境下でも常に正確な時刻を刻み、そしてデュアルタイムゾーン機能や自動時刻修正機能、フライトログ機能を持つグラビティマスターはとても魅力のある時計だと思います」

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

「日本人として誇りに感じています」

──今回手がけられたグラビティマスターの機能やデザインをどのようにお感じですか?

藤野「グラビティマスターの最大の特徴は、ケースにカーボンコンポジット(複合材)という最先端の素材を使用していることです。HondaJetの胴体にもカーボンコンポジットを採用していますが、これは軽量であると同時に、強度が高い素材を用いることで、航空機の性能を最大限に上げることができるからです。またカーボンコンポジットは腐食にも強くて経年劣化が少ないので、長い期間使用できるというメリットがあります。このようなカーボンコンポジット素材をケースに用いているグラビティマスターは、驚くほど軽量でしかもハイテク感が漂っています

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

──ちなみに藤野社長は、これまでに腕時計をデザインされたご経験はありますか?

藤野「過去にも数回、依頼をいただいて腕時計をデザインしています」

──航空機と腕時計のデザインで、共通している点、また異なる点を教えて下さい。

藤野「これはとても難しい質問ですが、あえて表現しますと、航空機も腕時計も技術分野は違いますが、どちらも開発の長い歴史と技術者たちの経験の蓄積から創り上げられる製品だということだと思います。そのような技術の蓄積の歴史の上に成り立つ産業では、一朝一夕に新しい価値を提供するような画期的な製品を生み出すことはなかなかできません。それだけにHondaJetやG-SHOCKが、各々の産業の中で新しい価値を生み出して世界で認められたことは、とてもうれしく思います。特に、いわゆる造形デザインという観点から、日本人が欧米を超えるような独創性や創造性を示すプロダクトを生み出していることは日本人として誇りに感じています

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

「両方の機能美を最大限に表現できたのではないかと思っています」

──今回のデザインで苦労された点やこだわった点を教えてください。

藤野「今回のコラボレーションモデルは、『どのようにHondaJetのイメージをG-SHOCKと重ね合わせ、新しいデザインへと昇華させることができるか』ということが大きなテーマです。HondaJetのイメージを表現するために、インダイヤルのインジケーターはHondaJetのシルエットを想起させる形状にデザインをしました。またリューズにはエンジンのファンブレードの形状、ボタンガードは主翼前縁やナセルインレットのポリッシュサーフェスをそれぞれ表現しました。バンドには、HondaJetの飛行性能とHondaJetブランドロゴを刻み込んでいます。

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

文字盤のカラーは、あまりG-SHOCKには使われていない白のダイヤルにチャレンジしています。これはHondaJetの機体カラーを再現するための試みです。初期デザインの段階では、G-SHOCKのダイヤルに白を使うことに不安もありましたが、カシオ様のデザイナーとベゼル側面のカーボン積層表現やバンドを含めた全体の配色の検討を重ねながら、現在の最終的なホワイトダイヤルのアレンジメントを行いました。

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

また技術的に細かいことですが、インダイヤル針の形状の設計においては、強い衝撃を受けたときに針のアンバランスによる変形によって針自体が破損しないように、針自体のバランスを考慮して設計することが必要で、これは耐衝撃性をうたうG-SHOCK独特の設計要件であることを知りました。

今回のコラボモデルでは、性能を極めたHondaJetと妥協なき『タフネス』を追い求めたグラビティマスター両方の機能美を最大限に表現できたのではないかと思っています」

──完成した今作を、どのようなシーンでお使いになりたいですか?

藤野「そうですね。まずHondaJetを購入されたお客様や、HondaJetのパイロットたちにぜひ使ってもらえたらと思います。また、初めてのHondaJetとG-SHOCKのコラボレーションということで、1本はホンダ エアクラフト カンパニー本社のロビーに飾っておこうかと思います」

──最後に改めて、今回のコラボを実現されたことの感想をお聞かせください。

藤野「異分野のエネルギッシュなG-SHOCKチームの方たちと仕事をすることは、チームワークを大切にするHondaにとって、とてもエキサイティングで楽しく、新しい発見がありました。今後も機会があれば、ぜひ新しいチャレンジをしたいと思います」

「G-SHOCKとのコラボは日本人としての誇り」HondaJetの藤野社長に直撃取材!

G-SHOCK「グラビティマスター GWR-B1000HJ-1AJR」¥115,000(税抜)
●ケースサイズ (H×W×D): 50.1×46.4×16.9mm●質量: 72g●カーボンベゼル●防錆構造●トリプルGレジスト●カーボンコアガード構造●球面・曲面ガラス●内面無反射コーティングサファイアガラス●ねじロック式リューズ●ネオブライト●20気圧防水●ケース・ベゼル材質: カーボン●カーボンファイバーインサートバンド●タフソーラー●電波受信機能:自動受信/手動受信●モバイルリンク機能●針位置自動補正機能●デュアルタイム●ストップウオッチ●タイマー●時刻アラーム●バッテリーインジケーター表示●パワーセービング機能●日付・曜日表示●フルオートカレンダー●LEDライト

カシオ計算機 お客様相談室
03-5334-4869
http://g-shock.jp/

取材・文/横山博之 写真提供/カシオ計算機

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